伊東純也のプレースタイルって結局どんな選手?
爆速ドリブラーとして知られる一方で、なぜ代表や欧州クラブで重宝されるのか――
その理由をプレー分析とポジション歴から徹底的に掘り下げます。
この記事では、伊東純也のスピード・ドリブル・得点力に加えて、守備の献身性や戦術理解力といった“数字に表れにくい魅力”にも注目。
さらに、甲府・柏・ヘンク・スタッド・ランス・日本代表といったクラブごとの起用ポジションの違いをわかりやすく解説します。
「ただ速いだけじゃない」――伊東の本当の凄さ、ここにあります。
伊東純也のプレースタイルが異次元な理由
引用:Twitter
伊東純也のプレースタイルは、「速い」だけでは片付けられません。
彼はスピードという最大の武器に加えて、ドリブル技術、守備意識、戦術理解、適応力といった要素をバランス良く備えた、現代型の万能アタッカーです。
それゆえにどのクラブでも重用され、代表でも欠かせない存在として定着してきました。
以下、具体的に彼のプレーの中身を深掘りしていきます。
爆発的スピード&加速力
伊東純也といえば、やはり爆発的なスピード。
彼の特徴は“トップスピードの速さ”以上に、“初速の速さ”です。
1歩目、2歩目の加速で一気に相手を置き去りにできる。
この「0→100」が尋常じゃなく速いことで、相手DFは一瞬の迷いが致命傷になります。
引用:YouTube
そして恐ろしいのは、そのスピードの中で冷静にプレー選択できるということ。
ただ走るだけではなく、状況に応じてクロス・カットイン・シュートのどれを選ぶかを一瞬で判断し、精度を落とさずに実行できる。
W杯でもヨーロッパでも、相手が誰であれスピード勝負で圧倒する姿には、日本人アタッカーの可能性を感じさせてくれます。
スピード×テクニックのドリブル突破
伊東純也はスピードだけでなく、テクニックも備えたドリブラーです。
ボールの置き所、細かいタッチ、相手の重心をずらす間合いの取り方――そのすべてが緻密に設計されています。
縦への突破に加え、切り返してのカットインもできる。
左右の選択肢を持っているからこそ、DFにとっては予測不能で、反応が遅れやすくなるんですよね。
また、ドリブル中も顔を上げているので、味方との連携やパスの選択肢も常にキープ。
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「スピードに乗った中で、迷わずパスが出せる」――これはトップレベルでも非常に貴重なスキルです。
得点力とチャンスメイクの両立
伊東純也は「仕掛けて終わり」の選手ではありません。
むしろ、ラストパス・クロスの精度が高く、年間でアシストを5〜10本前後記録することも珍しくない選手です。
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加えて、自らも得点を取れる。
ベルギー時代には2桁得点を記録したシーズンもあり、代表でも重要なゴールをいくつも決めています。
相手を1人かわしてシュート、スペースに抜け出して冷静に流し込む、ミドルを叩き込む――
様々な形での得点ができるのも、伊東純也の“完成度の高さ”を象徴しています。
守備でも“信頼される存在”
アタッカーでありながら、伊東純也は守備面でも非常に献身的。
ポジションに戻るスピードも早く、プレスのスイッチ役になることもしばしば。
欧州の監督たちが伊東純也を起用し続けるのは、攻撃力だけでなく守備の安定感があるからです。
「守備で崩れない」アタッカーはチーム全体の戦術の柱になります。
特に守備への切り替えの速さと読みの良さは、映像を見返すと際立っています。
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「仕掛けて、戻って、また仕掛ける」を繰り返せるのは、相当なスタミナと集中力がなければできません。
サイド限定じゃない、流動的な動き
伊東純也のプレーは、右サイドに張りっぱなしの“固定型”ではありません。
むしろ、状況に応じて中に入ってパスを引き出したり、逆サイドへ顔を出したりと流動的に動けるのが大きな特徴です。
その動きにより、相手のマークを外し、味方にスペースを与える“潤滑油”にもなれる。
サイドアタッカーでありながら、ポゼッションのリズムにも自然と関われるのが、彼のプレースタイルをより一段上へと引き上げています。
単に「足の速い選手」ではない――
プレー全体のIQが高いからこそ、伊東はどのチームでも適応できるんですよね。
クラブ&代表でどう使われてきた?伊東純也のポジション徹底解説
伊東純也はキャリアを通じて主に「右サイド」で起用されてきましたが、その中でも役割やスタイルには微妙な違いが存在します。
ここでは、各クラブや代表での起用法の変化を見ていきましょう。
ヴァンフォーレ甲府:右サイドでプロの壁を突破
伊東純也は神奈川大学在学中に特別指定選手としてヴァンフォーレ甲府に登録され、2015年に正式プロ契約を結びました。
ここでは右MF・右ウイングとしての出場が中心で、速さを活かした縦への突破で即戦力としての存在感を発揮しました。
プロ1年目からJ1の舞台に適応し、“大学出身とは思えない即応性”を見せたのは特筆すべき点です。
柏レイソル:サイドアタッカーとして覚醒
柏では、4-4-2の右サイドで先発起用される機会が増え、2017年にはJ1で6得点を挙げるなど、攻撃面で覚醒。
「Jリーグで最も速い男」と言われ、相手DFを1人で剥がせる数少ない選手として脚光を浴びました。
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この時期の活躍が評価され、海外クラブからのオファーに繋がったのは間違いありません。
ヘンク:RWに定着しスタイル確立
ベルギー移籍後は、完全にRW(右ウイング)に定着。
縦への突破を軸に、右足でのクロス、左足でのカットイン、両方の選択肢を使い分けられるようになりました。
4年間で公式戦144試合に出場し、29得点を記録。
スタッツ上でも評価され、ベルギーリーグ屈指のウイングへと進化しました。
スタッド・ランス:RW+WB+SBも!?多機能型へ進化
フランス・リーグアンに移籍後は、RWが基本でありつつも、試合によってはウイングバック、さらにはサイドバックに近い位置での起用も見られます。
守備力やスタミナが買われ、より守備的なポジションも任されるようになっており、ポジション適応力の高さが如実に表れています。
日本代表:右ウイングが定位置、WB経験も
代表では基本的に右ウイング固定。
森保ジャパンでは堂安律と並び、右サイドの主力として定着しました。
2022年W杯予選では日本代表最多得点者として突破に大きく貢献。
引用:YouTube
守備面の献身もあり、攻守両面で不可欠な選手となっています。
伊東純也はなぜ重宝されるのか?ファン・監督の声から見る評価
引用:goal
伊東純也の魅力はスピードだけにあらず。
チームが「安心して任せられる選手」として見ている理由が、実は随所に現れています。
ポジション適応力の高さ
WG、WB、IH、SB…と様々なポジションをこなせる。
しかも、どのポジションでも水準以上で安定しているというのがポイントです。
起用する側からすれば、「伊東を入れておけば形が崩れない」という戦術的な安心感があります。
試合を変える“アクセント”のような存在
膠着した展開でも、伊東がボールを持つと「何か起きそう」と感じさせてくれる選手。
一瞬のスプリントや切り返しだけで、空気が変わる。
その“スパイス的存在感”がチームに与える影響は、数字以上に大きいです。
守備の献身性と戻りの早さ
攻撃型選手にしては、戻りの速さが尋常ではない。
スプリントで前線に出て、ロストすればすぐさま自陣まで戻る。
こうした切り替えの速さは、欧州で評価されやすいポイントであり、伊東純也がスタメンを勝ち取る理由の1つです。
ピッチ上の“戦術的な安心感”
監督の戦術指示を“そのまま落とし込める”選手。
ポジショニング・パスの出し方・守備のトリガーなど、「ズレが少ない」プレーがチームに安定をもたらします。
まさに現代サッカーにおける理想的なサイドアタッカー像のひとつ。
W杯や大一番で結果を出す勝負強さ
W杯予選での決定的ゴール、ドイツ戦・スペイン戦でのスピードによる崩し――
大舞台で「使われる選手」であるという点も、伊東純也の強みです。
常に安定感を保ちながら、要所で結果を出せる勝負強さ。
これが、伊東純也が選ばれ続ける最大の理由なのかもしれません。
さいごに
伊東純也のプレースタイルは、圧倒的なスピードと突破力に加え、得点力・アシスト力・守備力を兼ね備えた万能型アタッカーです。
ポジションは主に右ウイングながら、ウイングバックやインサイドハーフ、さらには守備的な役割も担える柔軟性も魅力。
どのチームでも“信頼される存在”であり続けているのは、プレーの再現性・戦術理解力・守備の献身性が非常に高いからです。
甲府、柏、ヘンク、ランス、そして日本代表――あらゆる舞台で適応し続けてきた伊東純也。
これからも世界を相手に、そのスピードと知性で魅了してくれることでしょう。
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