全国高校サッカー選手権大会では、ゴールを奪うストライカーだけでなく、「1点を防ぐ存在」=ゴールキーパーの出来が勝敗を大きく左右する。
冬の国立で行われる2025年度大会でも、安定感抜群の守護神、ビルドアップで試合を支配する現代型GK、空中戦に絶対的な強さを誇る大型GKなど、個性豊かな逸材が揃った。
本記事では、松田駿(青森山田)/村上葵(大津)/金沢楓(矢板中央)/寺田健太郎(神村学園)/藤田泰土(流通経済大柏)の5名を厳選。
★評価による能力比較に加え、特徴・プレースタイル/大会での役割/ネットの反応まで徹底解説する。
この記事の内容
? 松田 駿(青森山田)
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総合評価:★★★★★(GK評価)
| 指標 | ★ |
|---|---|
| シュートストップ | ★★★★★ |
| ハイボール処理 | ★★★★☆ |
| 1対1対応 | ★★★★★ |
| 足元の技術 | ★★★★☆ |
| 統率力・安定感 | ★★★★★ |
特徴・プレースタイル(詳細)
松田駿は「完成度の高い王道GK」という表現が最も当てはまる存在。
最大の武器は、事前準備の質の高さにある。
相手の体の向き、助走角度、DFとの距離感を常に把握し、“打たれる前から止める準備ができている”タイプ。
無理にスーパーセーブを狙わず、正面で止める・コースを消すという基本を極めている。
また、青森山田の高い最終ラインを支えるため、裏への対応判断が非常に速く、「出る・出ない」の判断ミスがほとんど見られない。
キャッチングも安定しており、こぼれ球を出さない点も高評価。
大会での役割
今大会の青森山田は、1点を守り切る試合展開が最も強い。
その前提条件を成立させているのが松田の存在。
ロースコアの試合で「相手の決定機を1本止める → 流れが完全に山田側へ」という展開を作れるGKであり、準々決勝以降の緊張感ある試合では勝敗を分ける守護神となる。
PK戦に入っても、相手にプレッシャーを与えられる存在。
? 村上 葵(大津)
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総合評価:★★★★☆
| 指標 | ★ |
|---|---|
| シュートストップ | ★★★★☆ |
| ハイボール処理 | ★★★★☆ |
| 1対1対応 | ★★★★☆ |
| 足元の技術 | ★★★★☆ |
| ゲーム理解 | ★★★★★ |
特徴・プレースタイル(詳細)
村上葵は、ビルドアップ能力に優れた現代型GK。
単なる「止めるGK」ではなく、後方から試合を設計する役割を担っている。
足元の技術が高く、相手FWのプレスを見極めて
・ショートで剥がす
・一気に逆サイドへ展開
という判断が的確。
セービング面でも派手さはないが、安定した反応速度とポジショニングで大崩れしない。
大会での役割
大津は攻撃的なサッカーを志向する分、一瞬のカウンターを受けやすいチーム。
その“背後のリスク”を引き受けるのが村上。
押し込まれた時間帯でも慌てず、試合のテンポを落ち着かせる存在として機能する。
接戦になればなるほど価値が上がるGKで、「90分を通して効いてくる」タイプ。
? 金沢 楓(矢板中央)
引用:gekisaka
総合評価:★★★★☆
| 指標 | ★ |
|---|---|
| シュートストップ | ★★★★☆ |
| ハイボール処理 | ★★★★★ |
| 1対1対応 | ★★★★☆ |
| フィジカル | ★★★★★ |
| 安定感 | ★★★★☆ |
特徴・プレースタイル(詳細)
金沢楓は、空中戦とフィジカルに特化したクラシック型GK。
サイズと当たりの強さを活かし、クロス対応では“ほぼ負けない”。
セットプレー時の飛び出し判断が非常に良く、DFが競りに行けない場面でもGK単独でピンチを解消できる。
至近距離の反応も悪くなく、「守備重視の試合で真価を発揮するタイプ」。
大会での役割
矢板中央は、
・失点を抑える
・セットプレーで勝負
という明確な戦い方を持つ。
その戦術の根幹を支えるのが金沢。
クロスを封じることで、相手は自然と攻めあぐねる。
ロースコアの消耗戦になった時の“最重要選手”であり、番狂わせを起こす要因になり得るGK。
? 寺田 健太郎(神村学園)
引用:gekisaka
総合評価:★★★★☆
| 指標 | ★ |
|---|---|
| 反射神経 | ★★★★★ |
| シュートストップ | ★★★★☆ |
| 1対1対応 | ★★★★★ |
| 足元の技術 | ★★★★☆ |
| 勝負強さ | ★★★★☆ |
特徴・プレースタイル(詳細)
寺田健太郎は、反射神経と瞬間的な判断力に秀でたGK。
至近距離のシュート対応や、ディフレクションへの反応が非常に速い。
1対1の局面でも体を大きく使い、最後までコースを消し続けるのが特徴。
「止める時は本当に止める」いわゆる流れを変えるセービングができるGK。
大会での役割
神村学園は攻撃力が高い分、前がかりになった裏を狙われやすい。
そこで寺田の1本のビッグセーブが、そのまま得点に直結する流れを作る。
劣勢でも試合を壊さない存在で、上位進出のカギを握る。
? 藤田 泰土(流通経済大柏)
引用:gekisaka
総合評価:★★★★☆
| 指標 | ★ |
|---|---|
| シュートストップ | ★★★★☆ |
| 足元の技術 | ★★★★★ |
| 判断力 | ★★★★☆ |
| ビルドアップ | ★★★★★ |
| 冷静さ | ★★★★☆ |
特徴・プレースタイル(詳細)
藤田泰土は、GKというより“後方の司令塔”。
足元の技術、判断スピードともに非常に高く、相手のプレスを逆手に取る配球ができる。
ショート・ロングの使い分けが巧みで、GKの判断=攻撃の質になるタイプ。
大会での役割
流経大柏のポゼッションサッカーは、藤田の判断から始まる。
GKが落ち着いていることでDFラインが高く保たれ、試合の主導権を握りやすい。
攻撃力が注目されがちだが、実は藤田が崩れないことが最大の前提条件。
さいごに
FWやMFが脚光を浴びがちな選手権だが、トーナメントではGKの「1本のセーブ」がそのまま勝利に直結する。
2025年度大会は、“誰が止め続けられるか”にもぜひ注目して観戦したい。






