背中に刻まれたライオン、胸の“Dream Chaser”、そして腕に並ぶアニメキャラクター――。
メンフィス・デパイの身体は、まるで彼自身の人生を描いたキャンバスだ。
幼少期の逆境を乗り越え、信仰と夢を糧に頂点を目指してきた彼は、タトゥーを通じて「何者にも縛られない自分」を表現している。
本記事では、デパイの代表的なタトゥー3種を取り上げ、その意味と海外での評価を深掘りする。
この記事の内容
メンフィス・デパイのタトゥー完全特集
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背中のライオン──“心の中の野獣”
引用:dailymail
メンフィス・デパイのタトゥーの中で最も象徴的なのが、背中一面に描かれた巨大なライオンの顔だ。
彼はこのタトゥーを指してこう語っている。
“I have the heart of a lion. That’s why he is on my back.”
― Memphis Depay, Instagram 2016
このタトゥーはオランダ代表の象徴「ライオン」をモチーフにしながら、彼自身の生き方をも重ねたもの。
幼い頃、ガーナ人の父が家を去り、母と2人で育ったデパイは、自らを「荒野で生きるライオンのようだった」と語っている。
イギリスのタトゥー専門誌 Vivid Ink Tattoos によれば、この背中の作品は約24時間にわたるセッションで制作され、ロッテルダムのスタジオで完成したという。
(Vivid Ink Tattoos UK)
出典:pinterest
海外の反応
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BBC Sport:「ヨーロッパで最も象徴的なタトゥー」
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GiveMeSport:「デパイには50以上のタトゥーがあるが、ライオンは“彼の魂の象徴”」
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The Guardian(2015年):「Tarzan with tattoos(タトゥーだらけのターザン)」と皮肉交じりに表現した一方で、「彼のタトゥーは自己表現の自由そのもの」とも記している。
(The Guardian)
ライオンの視線は真っ直ぐ前を見つめ、彼がゴール後に見せる冷静なポーズ「祈り」ともリンクしている。
静寂と闘志を同居させる、デパイという人間を象徴する1枚だ。
胸の“Dream Chaser”──夢を追う者の誓い
引用:independent
胸の上部に刻まれた「Dream Chaser(夢追い人)」という文字は、彼の座右の銘でもあり、ラッパーとしての活動名義「Memphis」そのものを象徴する。
この言葉は、彼が音楽活動を始めた頃(2017年頃)に入れたもので、デビュー曲 “No Love” の歌詞にも登場する。
サッカーと音楽、2つの夢を同時に追う姿勢を可視化したものだ。
The Guardian の記事では、
“Depay’s tattoos are not decoration — they are his roadmap.”
と評されているように、このタトゥーは「成功よりも挑戦を楽しむ」彼の生き方を象徴している。
海外の評価
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Goal.com:「“Dream Chaser”は若い世代へのメッセージだ。成功は目的ではなく、追い続けるものだと示している。」
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Marca:「デパイの胸には夢が刻まれている。」
さらに、唇の内側にオランダ語で「succesvol(成功した)」というタトゥーも入っており、“夢追い人”が“成功者”へと成長した証でもある。
腕のアニメタトゥー──遊び心とルーツの融合
Memphis Depay Tattoo ???#FIFA22 #PS5share #Barcelona pic.twitter.com/vNAPu38OUc
— Epic Player (@EpicPlyer) March 18, 2022
メンフィス・デパイの右腕には、なんとアニメ『アバター 伝説の少年アン(Avatar: The Last Airbender)』の主人公Aang、『ポケモン』のプリン(Jigglypuff)、そして『クレヨンしんちゃん』のキャラクターが刻まれている。
この意外なモチーフは、彼の遊び心と多文化的背景を象徴するものだ。
ガーナの血を引きながらオランダで育ち、欧米・日本文化の両方に影響を受けた彼は、
「人生を楽しむことも才能の一部」と語っている。
Redditでは次のような投稿がバズった。
“I was today years old when I realized Memphis Depay has a tattoo of Aang on his right arm.”
(今日初めて知ったけど、デパイの腕にAangのタトゥーあるのヤバい!)
(Reddit – r/TheLastAirbender)
海外ファンの間では、「アニメタトゥー=デパイのユーモアの象徴」として人気が高い。
Vivid Ink Tattoos では、「力強さ(ライオン)」と「無邪気さ(アニメ)」という対比が、彼の人間的魅力を際立たせていると評されている。
総括:身体はキャンバス、魂はインクで語る
メンフィス・デパイのタトゥーは、サッカー選手の“ファッション”という枠を超え、人生の葛藤・夢・信仰・ユーモアを可視化するビジュアルな自伝だ。
“Depay’s body tells his story better than any biography could.”
― The Athletic (2024)
背中のライオンは闘志を、胸のDream Chaserは夢を、腕のアニメは遊び心を語る。
そのバランスこそ、彼が「静寂の中の闘志」と称される理由である。
さいごに
メンフィス・デパイのタトゥーは、単なる装飾ではなく信念と魂の記録だ。
背中のライオンは闘志を、胸の“Dream Chaser”は永遠の挑戦心を、腕のアニメモチーフは無邪気な遊び心を象徴する。
海外メディアやファンが「彼の体はストーリーブックだ」と評するように、デパイはピッチの上だけでなく、身体そのものでも自己表現を貫いている。
静けさの中に燃える闘志――それが、メンフィス・デパイという男を最もよく語るタトゥーの物語である。
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