アルゼンチン代表の新星、ニコ・パス(Nico Paz)。
レアル・マドリードで育ち、現在はセリエA・コモで背番号10を背負う若きプレーメーカーです。
そのキャリアを辿ると、背番号の変遷が彼の成長物語そのものになっています。
17番として無名だったカスティージャ時代から、10番を任された現在まで——
各クラブ、そして代表でどのように“数字”が託されてきたのか。
この記事では、レアル・マドリードからアルゼンチン代表までの歴代背番号を表とエピソードで解説。
さらに、当時の海外メディアの評価やファンの反応を交えながら、「静かなる10番」と呼ばれる所以を深掘りします。
この記事の内容
クラブ別の歴代背番号一覧
| シーズン | 所属クラブ | 背番号 | 主なポジション | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2021–22 | レアル・マドリードB(カスティージャ) | 17 | 攻撃的MF | デビューシーズン。控え中心 |
| 2022–23 | レアル・マドリードB | 10 | 攻撃的MF | チームの中心へ成長 |
| 2023–24 | レアル・マドリード(トップ) | 32 | 攻撃的MF | CLで初得点。注目を浴びる |
| 2024–25 | コモ1907(セリエA) | 10 | トップ下/CMF | 主力として10番を継承 |
| 2025–26 | コモ1907 | 10 | 攻撃的MF | クラブの顔的存在 |
⚽ レアル・マドリードB時代(#17 → #10)
? エピソード:
レアルBで背番号17を背負った頃、まだ線の細い少年だった。
だが翌年10番を任されると、瞬く間にカスティージャの司令塔へ。
スペイン紙『AS』は当時こう評した。
“El chico argentino que juega como si tuviera 30 años.”
「まるで30歳のように落ち着いてプレーするアルゼンチンの少年。」
彼のパスワークとゲームメイクは若手離れしており、アンチェロッティも練習試合で視察。
「マドリードの未来の10番候補」と地元メディアが報じた。
? レアル・マドリード(トップチーム)#32
? エピソード:
2023年11月、チャンピオンズリーグ・ナポリ戦で途中出場。
後半に放った左足のシュートが決まり、CL初得点を記録。
このゴールが象徴的だったのは、ベリンガムやロドリゴに次ぐ「若き才能」として世界に名を刻んだからだ。
? 海外の反応:
-
Marca:「レアルの次世代はすでにピッチに立っている。ニコ・パスはその象徴だ。」
-
The Athletic:「彼のシュートはまるでモドリッチの若き頃を思わせる。」
-
SNS上では「#NicoPazMoment」が一時トレンド入り。
“A goal that announced his arrival to Europe.”
「ヨーロッパにその名を知らしめた一撃だった。」
コモ1907(セリエA)#10
? エピソード:
2024年夏、レンタルで加入したコモでは、クラブが昇格したばかりにも関わらず10番を任された。
初年度からセリエAで6得点9アシストを記録し、Gazzetta dello Sport はこう書いた。
“Un tango in mezzo al lago di Como.”
「コモ湖の真ん中で舞うタンゴのようだ。」
? 海外の反応:
-
イタリア版『Sky Sport』:「コモは奇跡を起こした。10番がまるでバッジョの再来。」
-
英メディア『FourFourTwo』:「Serie A has found its next creative gem(セリエAは次の宝石を見つけた)」
-
サポーターは“Il Tanguero di Como(コモのタンゴ奏者)”の愛称で呼び、ユニフォームは完売。
? 評価:
-
キーパス数:試合平均2.3(チーム最多)
-
ドリブル成功率:68%(セリエAトップ10)
-
10番の名に恥じない「創造力とリズム」でチームの中心に。
代表チームの歴代背番号一覧
| 年代 | 代表カテゴリ | 背番号 | ポジション | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | U-20 | 20 | 攻撃的MF | 南米U-20選手権に出場 |
| 2023 | U-23 | 16 | トップ下/RW | パリ五輪予選メンバー |
| 2024– | A代表 | 18 → 10 | 攻撃的MF | W杯南米予選デビュー |
U-20代表(#20)
? エピソード:
17歳でマスチェラーノ率いるU-20に初招集。
小柄な選手が多い中、186cmの体格と視野で異彩を放った。
TyC Sports は「まるで“若きリケルメ”」と絶賛。
“Tiene la pausa y el pase de los elegidos.”
「選ばれし者のような間合いとパスを持っている。」
U-23代表(#16)
? エピソード:
2023年、パリ五輪予選では背番号16で出場。
中盤から縦に刺すスルーパスが印象的で、ブラジル戦では決勝点をアシスト。
? 海外メディア反応:
-
Olé:「チーム全体のテンポを変える存在。」
-
ESPN Argentina:「ゲームを読む能力はすでにA代表レベル。」
A代表(#18 → #10)
? エピソード:
2024年、W杯南米予選・ボリビア戦でA代表デビュー(#18)。
翌年にはアルゼンチン国内メディアで「メッシの後継者候補」と報道され、
親善試合で背番号10を着用。
? 海外の評価:
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ESPN:「リオネル・メッシの背番号を継ぐ準備ができている数少ない若者。」
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TyC Sports:「彼のプレーは、南米の情熱とヨーロッパの知性が融合している。」
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Marca Argentina:「パスが10番を背負った瞬間、アルゼンチンの未来が見えた。」
“He doesn’t imitate Messi — he interprets football in his own rhythm.”
「彼はメッシを真似るのではなく、自分のリズムでフットボールを表現している。」
総括
ニコ・パスの背番号の歩みは、単なる数字の変化ではなく、
「責任と信頼を引き継ぐ物語」である。
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#17:無名の若手
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#10(カスティージャ):チームの中心
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#32(レアル):世界デビュー
-
#10(コモ):クラブの象徴
-
#10(代表):国の未来
静かに、しかし確実に階段を上るその姿は、アルゼンチンが求めてきた“次の10番像”そのものだ。
彼の背番号は、才能と覚悟、そして新時代の象徴である。
さいごに
ニコ・パスの背番号の変遷は、単なるユニフォームの数字ではなく、彼がチームから受け取った信頼と責任の証です。
カスティージャで17番から10番へと昇格した時、彼はリーダーとしての片鱗を見せ、レアルの32番でチャンピオンズリーグの舞台に立ち、世界にその名を刻みました。
そして、コモでは象徴的な10番を背負い、クラブの中心に。
アルゼンチン代表でも、18番から“伝説の10番”へと歩みを進めています。
数字の裏にあるのは、静かに燃える闘志と成長への渇望。
彼の背番号が移り変わるたびに、サッカー界の期待もまた大きくなっているのです。

