バルセロナやブラジル代表で活躍するハフィーニャ。
その華やかなプレーの裏には、ファヴェーラで育った幼少期の経験と、何度も挫折を味わいながらも諦めなかった物語があります。
舗装されていない路地でのストリートサッカー、アカデミーからの繰り返しの拒絶、交通費すら払えなかった日々――。
しかし、その厳しい環境こそが、彼の粘り強さや勝負強さを形づくりました。
本記事では、幼少期から青年期にかけてのエピソードを中心に、ハフィーニャという人物像を深掘りします。
この記事の内容
幼少期から形作られたハフィーニャの人物像!
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幼少期:レジンガ(Restinga)のファヴェーラで育つ

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ラファエル・ディアス・ベロリ、通称ハフィーニャは、ブラジル南部・ポルトアレグレのレジンガ(Restinga)という地区のファヴェーラ出身。
学校や練習施設が整っているわけではなく、路地や未舗装の道、土のピッチでのストリートサッカー――“várzea”と呼ばれる地域コミュニティ主催の大会――が彼のサッカーの原点だった。
そこでは裸足やシャツなしで試合をすることもあったし、ネットのないゴールや簡素な設備で遊ぶこともしばしばだった。
幼い頃、友人たちとボールを追いかけること、泥やほこりの中で汗をかくことが日常であり、そのような環境が“試される場”であり、磨かれる場所だったと本人は語っている。
「várzea gamesでプレーできればどこでも通用する」という言葉もあり、小さなピッチでの体力・技術・精神の鍛錬が今の彼の土台になっている。
家族環境と日常の厳しさ

引用:gauchazh
ハフィーニャの家庭は裕福ではなく、しばしば生活費や移動費といった基本的なことでも苦労した。
兄弟との共同生活、親+犬・猫などのペットとの狭い住環境を共有していたこともあり、プライバシーや余裕は少なかった。
また、練習後や大会の後には子ども同士で食べ物を分け合うことがあり、バス代を払えず家に帰れないこともあった。
そういう苦しい状況でも、友人の親がバス代を助けてくれたり、他の家庭が間食を分けてくれたりといった“コミュニティ内での支え合い”が大きな支えだった。
拒絶・挫折の繰り返し
身体的に小柄だったことやフィジカル面で見劣りしていたこともあり、複数のユースアカデミー(GrêmioやInternacionalを含む)から何度も選抜を拒否された経験がある。
18歳近くになるまで、アカデミー側から「体が小さい」「強さが足りない」という理由で機会を与えられないことが多かった。
このような挫折は彼を打ちのめすこともあったが、それでも諦めずにプレーを続けた。
várzeaの試合で鍛えた忍耐力と“負傷・拒絶から立ち上がる力”が、後々のプロキャリアでのメンタリティに繋がっている。
影響を受けた人々と夢のはじまり
引用:X
父親はミュージシャンであるなど、音楽が家庭にあったことが、ハフィーニャにとって大きな影響を与えている。
音楽とサッカー、どちらもリズム・感情表現があり、彼は音楽の“ムード”や“表現”をサッカーにも持ち込んでいるというコメントも見られる。
また、幼いころ‐7歳くらい‐にロナウジーニョの誕生日パーティーに参加した思い出もあり、「彼を見たときに、自分も同じ舞台でプレーしたいと思った」「人を笑顔にするプレーをしたかった」という夢がそこで始まったと語っている。
幼少期が現在のスタイルと性格にもたらしたもの
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これらの経験が、ハフィーニャの人物像と現在のプレースタイル・性格につながっている点を整理すると次のようになる:
経験 | 得られたもの |
---|---|
ファヴェーラ・várzeaでの過酷な環境 | メンタルの強さ、困難にも耐える力、即興性 |
移動費・食べ物などの生活の厳しさ | 感謝の念、謙虚さ、人との繋がりを大事にする性 |
何度もの拒絶経験 | 挫折を恐れない姿勢、努力・準備を重視する思考 |
音楽家の父親やロナウジーニョとの出会い | 表現力、エンターテインメント性、サッカー以外の価値観があること |
これが、ハフィーニャが“遊び心を持ちながらも勝負を求める姿勢”“フィジカルだけでなく技術や動き・判断を重視するプレーヤーである”という評価につながっている。
幼少期の環境が彼の性格のベースになっており、単なる成功者ストーリーではなく、根が深いストーリーが彼の人間性を裏付けている。
周囲から見た幼少期を通じた人物像の評価
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メディアやインタビューでは、ハフィーニャ本人が「自分の成功は自分だけのものではなく、自分を支えてくれたコミュニティや家族のおかげ」と必ず言及する。
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これにより「人との繋がりを重視する」「恩返しの気持ち」が伝わってくる。
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また、子ども時代を振り返って「várzeaの試合で育ったから、どんなグラウンドでも順応できる」という自信を持っており、それが彼のプレーに“柔軟さと即興性”をもたらしているというコメントをするコーチ・仲間もいる。
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ファンや解説者からは、「幼い頃の苦労を知ると、彼のゴールやエネルギーの瞬間に感情移入しやすい」「ただ技術があるだけでなく、その背景にあるストーリーが人々の尊敬を集める要因」として評価されている。
さいごに
ハフィーニャの幼少期は、貧困や拒絶といった困難の連続でした。
それでも彼は、ヴァルゼアでの経験を通じて強靭な精神力を養い、家族や地域の支えを受けながら夢を追い続けました。
父の音楽から得たリズム感や、ロナウジーニョとの出会いがもたらしたインスピレーションは、彼のプレーの表現力にも影響を与えています。
現在の彼が見せる謙虚さ、感謝の心、仲間思い、そして勝負どころでの冷静さは、幼少期に培われた人格の延長線上にあります。
ハフィーニャを理解するには、プレースタイルや年俸だけでなく、幼少期の物語に目を向けることが不可欠です。
そこにこそ、彼が“ただのサッカー選手”ではなく、人々を魅了する存在である理由が隠されています。
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