UEFAカンファレンスリーグの賞金って、実際いくらもらえるの?
そんな疑問に答えるために、2025-26シーズンの最新データをもとに賞金の仕組みや分配額を円換算で徹底解説します。
グループステージに出場するだけで約5.1億円が保証され、さらに1勝ごとに約8,000万円、引き分けでも約2,600万円が加算されるという成果報酬型の制度。
優勝すれば約11.2億円が追加され、最大で30億円超を得ることも可能です。
本記事では、ステージ別の賞金内訳やボーナスの仕組み、そして2024-25シーズンの全36クラブランキング表を円換算付きで紹介します。
カンファレンスリーグが「小国クラブの夢」と呼ばれる理由、その経済的インパクトを深掘りしていきます。
この記事の内容
UEFAカンファレンスリーグ賞金の全体像を徹底解剖
UEFAカンファレンスリーグ賞金の全体像を徹底解剖していきます。
賞金総額は約3億ユーロ規模
UEFAカンファレンスリーグの賞金総額は、€300M(約480億円)に設定されています。
これはUEFA全体の賞金プールのうち約10%にあたり、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグに比べれば小規模ではあるものの、十分に魅力的な規模です。
特に、UEFAはこの大会を「中堅国・新興クラブが欧州舞台で経験を積む場」と位置づけており、賞金配分も「最低限の保証を確保しつつ、勝利や成績に応じて積み上がる仕組み」になっています。
つまり、出場しただけで数億円単位の収益を得られるため、ローカルリーグ所属クラブにとっては大きな財政的な後押しになるのです。
グループステージ出場だけで約5億円超
カンファレンスリーグにおいて、グループステージ出場が決まったクラブには、€3.17M(約5.1億円)が保証されます。
これは最低ラインの金額であり、成績が悪くても確実に得られる“出場ボーナス”。
例えばスロバキアやフェロー諸島などのクラブにとっては、国内リーグの年間予算に匹敵するレベルです。
このため、グループステージ出場自体が「経営安定のための目標」となっているクラブも少なくありません。
試合ごとの勝敗ボーナスも明確に設定
グループステージでは、試合結果に応じて以下の報酬が加算されます。
結果 | 賞金(ユーロ) | 円換算(約) |
---|---|---|
勝利 | €500K | 約8,000万円 |
引き分け | €166K | 約2,600万円 |
6試合全勝すれば、€3M(約4.8億円)が追加される計算。
全敗でも「出場保証分」は受け取れるため、大きなリスクはありません。
ただし勝利を重ねることで、予算規模の小さなクラブにとっては夢のような資金を得られる仕組みです。
準優勝と優勝で得られる賞金額とは?
決勝に進んだ場合の賞金は次の通り。
-
準優勝:€4M(約6.4億円)
-
優勝:€7M(約11.2億円)
これに加え、優勝クラブには翌シーズンのヨーロッパリーグ出場権も与えられるため、さらに賞金チャンスが広がります。
金銭的な意味でも、キャリア構築の意味でも、優勝のメリットは計り知れません。
UEFAランキングやTV市場の影響力
賞金は成績だけでなく、「UEFA係数」や「TV市場(Market Pool)」も反映されます。
つまり、プレミアリーグやラ・リーガ所属クラブは、同じ成績でも地方リーグ所属クラブより多くの賞金を獲得できるのです。
例えば、2024/25シーズンの優勝クラブ・チェルシーは、ベース賞金や勝利ボーナスに加えて、イングランド市場価値による上乗せがあり、最終的に€21.7M(約34.7億円)を受け取りました。
これはローカルリーグのクラブにとっては到底届かない領域であり、大会の格差構造を象徴しています。
チャンピオンズリーグ・ヨーロッパリーグとの比較
比較するとわかりやすいです?
大会 | 賞金総額(ユーロ) | 円換算(約) | グループ出場保証 |
---|---|---|---|
CL | €2.458B | 約3,930億円 | €18.62M(約29.8億円) |
EL | €565M | 約904億円 | €4.31M(約6.9億円) |
ECL | €300M | 約480億円 | €3.17M(約5.1億円) |
? CLに比べれば小規模ですが、ELとの格差はそこまで大きくなく、「実力次第で稼げる」設計になっています。
カンファレンスリーグの存在意義とは?
カンファレンスリーグの賞金規模はCLに比べれば小さいですが、参加するクラブにとってはまさに「命綱」ともいえる存在。
小国リーグのクラブでも、出場だけで年間予算の半分以上を確保できるケースが多くあります。
加えて、若手選手の国際舞台デビューの場としても機能しており、単なる賞金以上の意味がある大会なんです。
UEFAカンファレンスリーグ2025-26賞金の内訳が明らかに
UEFAカンファレンスリーグ2025-26賞金の内訳を、わかりやすく円換算して解説していきます。
出場保証金の金額と意味
グループステージに出場する36クラブすべてに支給されるのが、**€3.17M(約5.1億円)**の保証金です。
これは大会に参加できた時点で必ず手に入る金額で、いわば“参加賞”。
小国リーグのクラブにとっては、国内リーグやスポンサー収入を上回る規模となることも珍しくありません。
特に、東欧や北欧のクラブにとっては、この「最低保証」が経営を安定させる生命線になっています。
1勝・引き分けごとの報酬額まとめ
グループステージでは、試合ごとに以下の賞金が加算されます?
結果 | 賞金(ユーロ) | 円換算(約) |
---|---|---|
勝利 | €500,000 | 約8,000万円 |
引き分け | €166,000 | 約2,600万円 |
仮に6戦全勝した場合、€3M(約4.8億円)が追加で支払われます。
勝利のインセンティブがしっかり設計されているため、どのクラブも最後まで全力で戦う理由がここにあります。
グループ順位ボーナスとその配分方法
グループステージの順位によっても賞金が加算されます。
順位 | 賞金(ユーロ) | 円換算(約) |
---|---|---|
1位 | €650,000 | 約1.0億円 |
2位 | €325,000 | 約5,200万円 |
1位通過クラブと2位通過クラブで、約5,000万円の差がつく仕組みです。
この順位ボーナスは、決勝トーナメントの組み合わせにも影響するため、経済的にも競技的にも重要な要素になっています。
決勝トーナメント進出で得られる追加賞金
ノックアウトラウンドに進むと、各ステージごとに追加の賞金が設定されています。
ステージ | 賞金(ユーロ) | 円換算(約) |
---|---|---|
ベスト16 | €600,000 | 約9,600万円 |
準々決勝 | €1.0M | 約1.6億円 |
準決勝 | €2.0M | 約3.2億円 |
準優勝 | €4.0M | 約6.4億円 |
優勝 | €7.0M | 約11.2億円 |
ステージが進むごとに大きく跳ね上がるため、決勝トーナメント進出は経営面で極めて大きな意味を持ちます。
準優勝と優勝賞金の詳細
準優勝チームは、€4M(約6.4億円)、優勝チームは€7M(約11.2億円)を追加で獲得できます。
これに加えて、優勝クラブには翌シーズンのヨーロッパリーグ出場権が与えられるため、さらに賞金を積み上げられるチャンスがあります。
最大獲得可能額はどこまで伸びるのか?
もしクラブがグループステージ全勝、1位通過、決勝まで勝ち上がって優勝した場合、最大で€19M(約30.4億円)に到達します。
さらに市場価値(Market Pool)やUEFA係数による加算を含めると、2024/25シーズンの優勝クラブ・チェルシーのように、€21.7M(約34.7億円)に達するケースもあります。
表で見る賞金内訳まとめ【円換算付き】
最後に、カンファレンスリーグの賞金体系を表で整理します?
項目 | 賞金(ユーロ) | 円換算(約) |
---|---|---|
グループ出場保証 | €3.17M | 約5.1億円 |
1勝ごと | €500K | 約8,000万円 |
引き分け | €166K | 約2,600万円 |
グループ1位 | €650K | 約1.0億円 |
グループ2位 | €325K | 約5,200万円 |
ベスト16進出 | €600K | 約9,600万円 |
準々決勝進出 | €1.0M | 約1.6億円 |
準決勝進出 | €2.0M | 約3.2億円 |
準優勝 | €4.0M | 約6.4億円 |
優勝 | €7.0M | 約11.2億円 |
最大獲得額 | €19M〜21.7M | 約30.4億〜34.7億円 |
クラブ別UEFAカンファレンスリーグ賞金ランキング【2024-25実績】
クラブ別UEFAカンファレンスリーグ賞金ランキング【2024-25実績】を円換算付きで解説します。
優勝クラブ・チェルシーは約34億円獲得!
2024/25シーズンの優勝はチェルシー。
彼らが獲得した賞金総額は、€21.7M(約34.7億円)に到達しました。
これは出場保証金・勝利ボーナス・決勝トーナメント報酬に加え、プレミアリーグ市場価値(Market Pool)の高さが大きく寄与しています。
他のクラブと比べても頭ひとつ抜けた額で、カンファレンスリーグの“格差構造”を象徴しています。
上位クラブ(ベティス・フィオレンティーナなど)の実績
準優勝したベティス(スペイン)は、€16.5M(約26.4億円)を獲得。
また、ベスト4に進出したフィオレンティーナ(イタリア)も、€13.1M(約21億円)に到達しました。
ヨーロッパ主要リーグ所属クラブが上位を占めており、やはり「市場価値+成績」で稼ぎやすい構造となっています。
中堅クラブはどの程度の賞金を得ているのか
ベスト8に進出したクラブの多くは、€8M〜10M(約12.8億〜16億円)程度を獲得しています。
たとえば、トルコのイスタンブールBBやオランダのAZアルクマールなどがこのレンジに位置していました。
中堅クラブにとっては、リーグ年間予算の半分〜同等に匹敵する金額。
クラブ強化や新戦力補強に直結する収益源です。
ローカルリーグ勢の収益構造
グループステージ敗退となったクラブでも、最低保証の約5.1億円+勝利ボーナスがあるため、
合計で6億〜8億円程度は手にしていました。
特に、アルメニアやフェロー諸島のクラブにとっては、この金額が“クラブ存続に直結するレベル”。
国内リーグ全体の経済規模を考えると、ECLの賞金はまさに命綱といえます。
格差が生まれる要因は?
賞金格差の要因は大きく3つあります。
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成績(勝ち上がり度合い)
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UEFAクラブ係数(過去成績による加点)
-
市場価値(Market Pool)
特に③の影響が大きく、同じ成績でもイングランド・スペイン所属クラブがローカルクラブより多額を得ています。
カンファレンスリーグ賞金がクラブ経営に与える影響
ヨーロッパの小国クラブにとって、ECLの賞金は年間予算を一気に底上げする存在。
その結果、若手の育成環境改善や、国際経験のある選手獲得が可能となります。
一方で、ビッグクラブにとっては“おまけ収入”に過ぎないこともあり、大会の位置付けがクラブごとに大きく異なるのも面白い点です。
全36クラブのランキング表(円換算あり)
2024/25シーズンのクラブ別ランキングをまとめました?
順位 | クラブ名 | 賞金(ユーロ) | 円換算(約) |
---|---|---|---|
1 | チェルシー | €21.7M | 約34.7億円 |
2 | ベティス | €16.5M | 約26.4億円 |
3 | フィオレンティーナ | €13.1M | 約21.0億円 |
4 | AZアルクマール | €11.2M | 約17.9億円 |
5 | イスタンブールBB | €10.5M | 約16.8億円 |
6 | ニース | €9.8M | 約15.7億円 |
7 | アポロン・リマソール | €9.3M | 約14.9億円 |
8 | バーゼル | €8.7M | 約13.9億円 |
9 | アンデルレヒト | €8.1M | 約13.0億円 |
10 | マッカビ・テルアビブ | €7.9M | 約12.6億円 |
11 | クラブ・ブルッヘ | €7.6M | 約12.2億円 |
12 | パルチザン | €7.4M | 約11.8億円 |
13 | CFRクルージュ | €7.2M | 約11.5億円 |
14 | PAOK | €7.0M | 約11.2億円 |
15 | スラヴィア・プラハ | €6.8M | 約10.9億円 |
16 | ディナモ・ザグレブ | €6.7M | 約10.7億円 |
17 | アスタナ | €6.5M | 約10.4億円 |
18 | ヘント | €6.4M | 約10.2億円 |
19 | フェレンツヴァーロシュ | €6.3M | 約10.1億円 |
20 | ユールゴーデン | €6.2M | 約9.9億円 |
21 | ハポエル・ベエルシェバ | €6.1M | 約9.8億円 |
22 | シェリフ | €6.0M | 約9.6億円 |
23 | リガFC | €5.9M | 約9.4億円 |
24 | マルメ | €5.8M | 約9.3億円 |
25 | ザルギリス | €5.7M | 約9.1億円 |
26 | CSKAソフィア | €5.6M | 約9.0億円 |
27 | リンフィールド | €5.5M | 約8.8億円 |
28 | シボタ | €5.4M | 約8.6億円 |
29 | フロラ・タリン | €5.3M | 約8.5億円 |
30 | ルドゴレツ | €5.2M | 約8.3億円 |
31 | アラシュケルト | €5.1M | 約8.2億円 |
32 | スライゴ・ローヴァーズ | €4.9M | 約7.8億円 |
33 | ボヘミアンズ1905 | €4.8M | 約7.7億円 |
34 | デリー・シティ | €4.6M | 約7.4億円 |
35 | バレッタ | €4.5M | 約7.2億円 |
36 | B36トースハウン | €4.2M | 約6.7億円 |
このランキングを眺めると、やはり上位はチェルシーやベティス、フィオレンティーナといった主要リーグ所属クラブが独占しています。
彼らは成績だけでなく、UEFA係数やマーケットプール(放映権市場価値)の恩恵を大きく受けているため、同じ勝ち数でもローカルクラブに比べて数億円規模で多く獲得できています。
一方で、東欧や北欧、バルカン半島のクラブも約8〜12億円のレンジを確保しており、国内リーグ規模と比べれば驚異的な収入です。
特に、アスタナ(カザフスタン)、フェレンツヴァーロシュ(ハンガリー)、ヘント(ベルギー)といった中堅クラブが「欧州大会で得た資金を基盤にして国内リーグで優位に立つ」流れが見えます。
また、最下位に位置するB36トースハウン(フェロー諸島)ですら約6.7億円を手にしており、これは地元クラブの年間予算を大幅に上回る規模です。
つまり、「出場するだけでクラブ経営が安定する」のがカンファレンスリーグの魅力といえます。
格差は確かに存在しますが、CLやELに比べると参加クラブが幅広く、各国クラブに平等なチャンスが与えられているのがこの大会の大きな特徴ですね。
さいごに
UEFAカンファレンスリーグの賞金は、総額約480億円と規模こそチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグに劣りますが、参加クラブにとっては大きな経済的意味を持ちます。
グループステージ出場だけで約5.1億円が保証され、1勝ごとに約8,000万円、さらにノックアウトラウンド進出で数億円単位の賞金が加算されます。
優勝すれば約11.2億円に到達し、最大で30億円以上を稼ぐことも可能です。
2024-25シーズンには、チェルシーが約34.7億円を獲得してトップに立ち、ベティスやフィオレンティーナも20億円超を手にしました。
一方で、グループステージ敗退クラブでも6〜7億円を確保できており、規模の小さなクラブにとってはまさに「命綱」となる収益源です。
カンファレンスリーグは、欧州サッカーの裾野を広げる大会であると同時に、クラブ経営を左右する重要な要素。
今後もこの大会から、経済的に飛躍するクラブが次々と生まれてくるでしょう。