レアル・マドリードとブラジル代表で輝きを放つヴィニシウス・ジュニオール。
その魅力はゴール数やドリブル突破だけでなく、得点後に見せる“ゴールパフォーマンス”にもあります。
友人やスポーツ仲間への敬意を込めたユニークなポーズ、クラブ史に残る記録を祝うシーン、相手を挑発する大胆なジェスチャー、そして文化的アイデンティティを示すダンス――。
それぞれが彼の人間性や価値観を映し出しています。
本記事では、ヴィニシウスの近年のゴールパフォーマンスを詳しく掘り下げ、その意味と周囲の反応を紹介します。
この記事の内容
ヴィニシウス・ジュニオールのゴールパフォーマンス
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新しいゴールセレブレーション:パデルへのオマージュ
引用:si
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2025年8月、マヨルカ戦で決勝ゴールを決めたヴィニシウスは、これまでの典型的な抱擁などの祝福に加えて、新しいポーズを披露した。
ゴール後、ラケットを振るような動作を取り入れ、「パデル選手フアン・レブロン(Juan Lebrón)」を讃える意味を込めたパフォーマンスだった。
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この動きは観客の注目を浴び、試合後にインスタグラムで「Un poco de padel en Bernabéu(ベルナベウで少しパデル)」と投稿。
友人のスポーツマンとしての繋がりを祝福し、ただのパフォーマンス以上の意味を持たせた。
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監督のサビ・アロンソ(Xabi Alonso)もこのゴールを評価し、「ゴールを決めるだけでなく、存在感を示した」ことを賞賛している。
100ゴール達成記念:クラブの歴史に刻む瞬間
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チャンピオンズリーグでのRBザルツブルク戦でヴィニシウスは、レアル・マドリードでの公式戦100ゴール目を達成。
歴史あるクラブの“100ゴールクラブ”入りを果たしたこの試合で、彼は両手で「100」のサインを掲げる祝福をして、チームメイトとファンと喜びを分かち合った。
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この記録はただの数字ではなく、若いうちからクラブに所属し、多くのプレッシャーの中で成長を続けてきたヴィニシウスにとって、自分がチームの歴史の一部となったことの証明でもある。
彼自身もインタビューで、「夢が現実になった瞬間」と表現している。
論争とメッセージを含むゴール後の表現:Oviedo戦の一幕
引用:besoccer
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レアル・マドリード対オビエド戦(La Liga)での試合では、ヴィニシウスが途中出場からアシストをし、試合終了間際にゴールを決めて3-0の勝利を確定させた。
彼はゴール後に「to the Second Division(2部に落ちろ)」と手で指を2本立ててスタンドを煽るようなジェスチャーを見せた。
これは相手チームやファンに対する挑発的な表現と受け取られた。
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またそのゴール後、彼はソーシャルメディアに「Eu sou isso aí…(“これが自分だ”)」という表現を投稿。
この言葉は、批判を受けた人物だという意識、自分のプレースタイル・態度を堂々と表現する姿勢としてファンの間で注目された。
ダンスをめぐる議論と文化的アイデンティティ
引用:edition.cnn
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ヴィニシウスの代表的なゴールパフォーマンスは、ゴール後に披露するダンス。
これは単なる喜びの表現ではなく、ブラジルやアフロ系文化の伝統的なリズム・音楽と結びついたアイデンティティの表現でもある。
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しかし2022年以降、スペイン国内の一部解説者や対戦相手から「相手を挑発している」と批判を受けた。
これに対してヴィニシウスは「ダンスは文化、喜びの表現であり、挑発ではない」と反論。
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ブラジル代表チームメイト(ネイマール、リチャルリソンなど)やレアル・マドリードの仲間も、ゴール後に一緒に踊ることで彼を支持した。
特に代表戦ではチーム全体でダンスを取り入れ、批判に対して「我々は誇りを持っている」とメッセージを送った。
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この件は国際的なニュースにもなり、ヴィニシウスが人種差別や文化的偏見に対して毅然と立ち向かう姿勢を示した象徴的な出来事とされている。
周囲からの反応とゴールパフォーマンスの受け止められ方
Vinicius Junior brought out a celebration Real Madrid know all about ? pic.twitter.com/eII9AM1Xdn
— GOAL (@goal) May 12, 2022
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メディアや解説者からは、「アイデアのある祝福」「パフォーマンスが盛りすぎず、だがメッセージ性が強い」という評価が多い。
特に「新しいセレブレーション」「Oviedoでの挑発ジェスチャー」は批評の対象になりつつも、彼のキャラクターを表すものとして好意的に語られることも多い。
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ファンの反応は分かれていて、祝福の仕方を支持する人もいれば「挑発的すぎる」「相手ファンを煽るのはいかがなものか」という意見もある。
だが概ね、ヴィニシウスがゴール後に見せる“自信”“誇り”が伝わる表現として理解されている側面が強い。
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また、監督・チームからは「こういう瞬間も含めて存在感を出せる選手」という評価。
ゴールだけでなく、その瞬間の振る舞いも含めてチームにとっての“インパクトプレーヤー”として見られている。
特にマヨルカ戦での祝い方は、その後の議論の的となりつつも、勝利とゴールの両方がチームにとって重要だったことを示すものとされている。
意味とゴールパフォーマンスの傾向
引用:bolanews
これらのエピソードから見えてくるヴィニシウスのゴールパフォーマンスに共通するテーマは以下:
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自己表現と人との繋がり
友人や好きなスポーツ選手(パデルのLebrónなど)への敬意を込める祝福。ゴールは単なる得点ではなく、自分の立ち位置や関係性を表す機会。
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挑発と自己確立
Oviedo戦のように、ファンや相手への挑発を交えることで、自分の存在を誇示する。批判も伴うが、ヴィニシウス自身はそれを恐れずに表現する。
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記録と歴史意識
100ゴール達成など、クラブの歴史に残る記録を祝う時にしっかりとしたセレモニーを行う。ファン・クラブ・歴代の偉大な選手たちとの比較意識も含む。 -
適度なバランス
派手すぎず、だが感情を込める。過度なパフォーマンスや場の雰囲気を壊すようなものは少なく、ほぼ本人の気持ちとメッセージを伝えるためのものとして機能している。
さいごに
ヴィニシウス・ジュニオールのゴールパフォーマンスは、単なる喜びの表現ではなく“メッセージ”そのものです。
パデル選手へのオマージュ、100ゴール達成の誇り、オビエド戦での挑発的なジェスチャー、そしてダンスを通じた文化的アイデンティティの主張――。
その一つひとつが、彼の強い自己表現と社会的立場を物語っています。
ファンからの賛否やメディアでの議論も含めて、ヴィニシウスは常に自分らしい方法でゴールを祝います。
だからこそ彼のパフォーマンスは人々の記憶に残り、ただの“得点”を超えて、サッカーという舞台を文化と人間性で彩る象徴的な瞬間となっているのです。
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