遠藤航がなぜ「デュエル王」と呼ばれるのか、ご存じですか?
1対1の勝負に無類の強さを見せる彼のプレーは、ドイツ・ブンデスリーガでも、イングランド・プレミアリーグでも異彩を放ち続けています。
この記事では、実際のスタッツやプレースタイル、海外メディアや監督の評価などをもとに、“なぜ遠藤航は世界で通用する守備職人なのか”を徹底解説。
「派手じゃないけど、いないと困る」そんな選手の凄さが、きっと伝わるはずです。
遠藤航の真の魅力を、一緒に深掘りしていきましょう。
遠藤航が“デュエル王”と呼ばれる理由とは?
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遠藤航が“デュエル王”と呼ばれる理由について詳しく解説していきます。
地味だけど圧倒的。そんな彼の守備スタイルが、世界の舞台で高く評価されている理由がここにあります。
①ブンデスリーガ時代の圧倒的なデュエル勝率
引用:bundesliga
遠藤航の“デュエル王”としての名声は、ドイツ・ブンデスリーガで確立されました。
とくに2021-22シーズンは、シュツットガルトの守備的MFとしてリーグ1位の**デュエル勝利数(約480回)**を記録しています。
これはフィジカルの強い選手が集うブンデスの中でも、圧倒的な数字です。
しかも彼の守備は、ただ体をぶつけて止めるのではなく、「間合い」「先読み」「ポジショニング」の3点を駆使して奪い切るのが特徴。
目立たないけど絶対に突破されない──そんな守備の凄みが、数字となって現れたシーズンでした。
筆者としても、「日本人でここまで1対1に強い選手がいたのか…!」と衝撃を受けたのを覚えています。
②1対1で勝てる“読み”とポジショニングの妙
遠藤の強さの秘密は、スピードや体格ではありません。
むしろ、相手の動きを読む「予測力」と、最短距離で奪える「ポジショニング」によって、デュエルを制しています。
相手がボールを受ける瞬間にすでに寄せている、逆を突かれても間合いを調整して奪い切る、そんなシーンが本当に多いんです。
彼自身、「相手を潰しにいくのではなく、コースを限定することを意識している」と語っています。
つまり、真正面からぶつかって勝つのではなく、“相手が自由になれない状況を作って勝つ”という、極めて知的なスタイル。
ここが、遠藤航の守備を「巧み」と評される最大のポイントです。
③スライディングを多用しない奪取スタイル
引用:sponichi
激しい守備と聞くと、スライディングで飛び込むようなプレーをイメージしがちですが、遠藤航のスタイルは真逆です。
彼は無駄に地面に滑り込むことを極力避け、立ったままで相手にプレッシャーを与え、確実にボールを奪います。
スライディングは、リスクを伴う守備手段でもあります。
抜かれてしまえば即ピンチ。だからこそ遠藤は“確実なタイミングでだけ”使うのです。
そのため、彼の守備には無駄なファウルがほとんどありません。
数字としても、ファウル数が少なく、それでいてデュエル勝率は高い──これが本当の“王者の守備”という感じがしますよね。
④無駄なファウルを避けるクリーンな守備
遠藤航のデュエルのもうひとつの特長は、クリーンさです。
スタッツを見れば、イエローカードやレッドカードの数が非常に少ない。
つまり、「しっかり止めるけど、危険なプレーはしない」というのを高い次元で両立しているのです。
実際、ブンデスリーガやプレミアリーグでは、身体能力頼みでファウルを連発する守備的MFが少なくありません。
でも遠藤は、冷静にコースを切り、ボールを狙う。
これが監督やメディアから「安心感がある」「リズムを壊さない守備」と高く評価されている理由です。
⑤プレミアリーグでも通用するフィジカルの強さ
2023年、遠藤航はリヴァプールへ移籍。
「日本人がプレミアの中盤でやれるのか?」という疑問の声も多く上がりましたが、そんな評価はすぐにひっくり返されました。
彼はデビュー数試合で中盤の守備を安定させ、デュエルでも屈強な相手に引けを取らない姿を見せました。
FBrefなどの統計サイトでも、中盤での地上戦勝率がプレミアの中でも高水準であることが明らかにされています。
何より、ボール奪取後にすぐ攻撃へつなげる判断の速さが、クラブのスタイルにもフィット。
「やっぱり通用したか!」と、筆者もガッツポーズを決めましたよ!
⑥リヴァプールでの守備的中盤としての信頼感
ユルゲン・クロップ監督は、遠藤の加入後に「彼はチームのバランスを保つ存在」とコメントしています。
実際、リヴァプールは前がかりな攻撃が特徴的なチームですが、その裏をしっかりケアしてくれる選手は不可欠。
遠藤は中盤の底で“火消し役”として絶妙な位置に立ち、相手の攻撃を未然に封じています。
その献身的で頭脳的な守備は、徐々にファンやメディアにも浸透し、“日本の中盤の番人”として愛される存在に。
プレミアの超一流たちと互角に渡り合っている姿を見ると、正直胸が熱くなりますよね。
⑦試合を読む頭脳とスタミナの融合
最後に、遠藤航の“真の強さ”とも言えるのが、試合全体を読む力とそれを支えるスタミナです。
相手がどこにボールを運ぶか、味方の誰が狙われているか──そういった情報をリアルタイムで処理しながら、走り続ける。
しかも、それを90分間落とさずに続けられる体力がある。
これは、トレーニングの成果でもありますが、やはり「日々の積み重ね」のたまもの。
だから彼のプレーは、目立たないけど、いないと困る。そういう存在なんです。
筆者としては、「派手な守備」よりも「効く守備」をここまで体現してる選手は、他にいないと思っています。
デュエル王・遠藤航のスタッツを徹底分析
遠藤航が「デュエル王」と称されるのは、ただ印象的なプレーだけでなく、明確なスタッツ(数値)で裏付けされているからこそです。
ここでは、ブンデスリーガ時代からプレミアリーグ、そして日本代表まで、彼の実績を数値で紐解いていきます。
ブンデスリーガでのデュエル勝利数ランキング
2021-22シーズン、シュツットガルトに所属していた遠藤航は、デュエル勝利数「480回超」でブンデスリーガ全体のトップに立ちました。
この数字は、リーグ内のどのポジションの選手よりも高く、攻守問わず「1対1で勝つ力」が飛び抜けていたことを示しています。
しかもこの記録は、単なる1年限りのものではありません。
翌2022-23シーズンも、遠藤は同様にリーグ上位の勝利数を記録しており、安定して高いレベルを維持しています。
これほど継続して“個の勝負”に強い選手は、世界的に見ても非常に稀です。
「デュエル王」の名は、決して誇張ではないことが、これだけでもよくわかりますよね。
2022-23年シーズンの勝率と評価
2022-23シーズン、遠藤のデュエル勝率は58%〜60%台と報告されています(ドイツ国内メディアより)。
これはボール奪取系の選手としては非常に優秀な数値であり、リーグ平均を明確に上回るレベル。
加えて、1試合平均のタックル数・インターセプト数も高水準で、守備における貢献度の高さが光っています。
また、シュツットガルトのファンからも「彼がいなければ守備が崩れる」とまで言われており、まさにチームの柱。
数字と周囲の評価、どちらをとっても文句なしの「守備の王様」だったのです。
リヴァプール移籍後のプレミアリーグでの数字
リヴァプール移籍後の遠藤航は、2023-24シーズン途中から中盤に定着。
FBrefなどの統計サイトによると、彼は“地上戦の勝率が65%超”と非常に高く、プレミアの中盤でも上位クラスの強さを誇ります。
また、タックル成功率やボールリカバリー数でもチーム上位を記録し、「守備的MF」としての役割を完璧にこなしていることがわかります。
特に注目すべきは、相手の攻撃の起点を潰す“戦術的ファウル”の少なさ。
これは、彼のポジショニングと判断力が優れている証拠です。
プレミアでこの数字は、本当に驚異的ですよね。
代表戦でのデュエル勝率と存在感
日本代表でも、遠藤航は中盤のキーマンとして長く活躍してきました。
ワールドカップ2022カタール大会では、スペインやドイツといった強豪相手にも臆することなく、デュエルで勝利を重ねました。
特にスペイン戦では、遠藤の中盤でのインターセプトが勝利への流れを変えたとも言われています。
国際大会においても、高い位置でボールを奪って素早く展開するそのスタイルは、日本代表の守備と攻撃の“つなぎ役”として不可欠な存在。
代表戦での活躍が“世界基準”であることを、数字とともに証明し続けています。
FBref・SofaScoreで見る評価の高さ
統計サイトFBrefやSofaScoreでは、遠藤航の守備に関する詳細データが数多く掲載されています。
特に以下のような項目で高評価を獲得:
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タックル成功率:平均65%前後
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1試合あたりのボールリカバリー数:8回前後
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被ドリブル率の低さ(抜かれにくさ)も評価対象
また、プレイヤーレーティングも平均7.2〜7.5(10点満点中)と高く、信頼できる数値であることがわかります。
これらのデータからも、彼の守備が「偶然ではなく実力」であることが証明されていますね。
なぜ遠藤航のデュエルは海外で評価されるのか?
遠藤航のデュエル力は、単なる“日本人にしては頑張っている”レベルではありません。
ブンデスリーガ、プレミアリーグ、日本代表と、世界の一流が集う舞台で通用しているのです。
ではなぜ、遠藤航の守備は海外メディアや監督からここまで高く評価されているのでしょうか?
日本人選手としては異例の中盤の強さ
これまで、日本人選手で中盤の守備職人タイプが海外で成功する例は決して多くありませんでした。
どうしてもフィジカルで勝てず、攻撃的な役割に比重が置かれがちだったんですよね。
しかし遠藤航はその常識を覆しました。
ブンデスリーガでも、リヴァプールのような超攻撃的チームでも、中盤で堂々とフィジカル勝負を挑み、勝ってきました。
その姿は、欧州メディアからも「異例の存在」「クレバーな戦闘機」として評価されています。
「日本人だから」という先入観を越えて、“中盤の守備職人”として名を上げたのは、彼が初かもしれません。
筆者としても、プレミアのゴリゴリ系MF相手にガチンコで勝ってる姿を見るたびに「これぞ世界基準だ…」と唸ってしまいます。
監督・メディアが語る“効かせる守備”の凄み
ユルゲン・クロップ監督は、遠藤航について「試合を落ち着かせてくれる存在」「いてくれるだけで安心」といった言葉を残しています。
これはつまり、彼の守備がただの“頑張ってるプレー”ではなく、戦術的にも機能しているという証。
また、The Athletic(英国スポーツ専門メディア)は彼のことを「派手ではないが、リヴァプールの穴を埋めるピース」と称しました。
つまり遠藤は、「目立たずに試合を制する」タイプの守備職人として認められているのです。
こうした信頼の言葉は、実際のプレーと結果がともなっているからこそ。
“守備の見えない部分”をちゃんと評価する文化があるからこそ、海外で真価を発揮できているんですよね。
試合後インタビューににじむ冷静な分析力
もう一つ見逃せないのが、遠藤航の“言語化力”の高さです。
試合後のインタビューで、彼は感情的にならず、「どの場面でどうすべきだったか」「相手の狙いをどう消したか」などを冷静に語ります。
この「プレーの裏にある思考」を明確に話せる選手は意外と少なく、彼の分析力の高さは、戦術面でも非常に重宝されています。
監督やコーチが信頼する理由のひとつも、こうした“自己理解と状況判断”の力にあります。
つまり、遠藤航は「体の強さ」と「頭の良さ」の両方を持っている選手。
そのバランスが、世界でも稀な“真の守備職人”としての評価につながっているのです。
さいごに
遠藤航が“デュエル王”と呼ばれる理由は、確かな数字と独自の守備スタイルにあります。
ブンデスリーガではデュエル勝利数1位、プレミアリーグでも中盤の地上戦で高い勝率を誇るなど、世界最高峰の舞台でもその実力は証明済みです。
ただぶつかるだけでなく、「読み」「ポジショニング」「判断力」で勝負する知的な守備が、監督やメディアからも高く評価されています。
また、日本人としては珍しく中盤でフィジカル勝負に挑み、勝てる選手という点でも特筆すべき存在。
彼のような選手がいることで、チームは安心して前に出られるのです。
そのプレーと言葉からは、真面目さと覚悟、そして確かな経験が感じられます。