ブラジル代表とニューカッスル・ユナイテッドの心臓として輝くブルーノ・ギマランイス。
その背中に刻まれた数字「39」には、彼のキャリアと人生を貫く“家族愛”の物語が隠されています。
父がリオデジャネイロで運転していたタクシーの番号――それが、彼がどのクラブに行っても手放さない「39番」の由来。
この記事では、ブルーノ・ギマランイスの歴代背番号の変遷とともに、ポルトガル語圏で語られた“39番の理由”を深掘りします。
彼がなぜこの番号にこだわり続けるのか。その背景には、サッカー以上に大切な想いがありました。
この記事の内容
ブルーノ・ギマランイスの背番号歴代一覧【クラブ・代表別】
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クラブ別 背番号一覧
期間 | 所属クラブ | 背番号 |
---|---|---|
2016–2018 | アウダックス・リオ/アウダックス | 不明(登録なし) |
2017–2020 | アトレチコ・パラナエンセ | 16, 39 |
2020–2022 | オリンピック・リヨン(Lyon) | 6, 7, 39 |
2022–現在 | ニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United) | 39【現行】 |
エピソードと背景
アトレチコ・パラナエンセ時代(#16/#39)
引用:ge.globo
デビュー当初は#16を着用。しかし主力定着後、#39に変更。
ブラジルメディア『Globo Esporte』によると、彼がこの番号を選んだ背景には、父親が運転していたタクシーの車両番号「039」があったという。
クラブの用具係から「番号を変えるか?」と聞かれた際、ギマランイスは父に電話をかけ、「39はうちのタクシーの番号だ」と言われ、そのまま選んだと明かしている。
“O número 39 é do táxi do meu pai. Ele dirigia esse carro para sustentar a nossa família.
Agora, eu jogo com esse número para nunca me esquecer de onde vim.”
(父のタクシーの番号が39なんだ。家族を支えるためにあの車を運転していた。
今この番号でプレーするのは、原点を忘れないためなんだ。)
— Bruno Guimarães via Globo Esporte
この39番はやがて、彼のトレードマークに。
ブラジル国内では「タクシーの息子(o filho do taxista)」という愛称で親しまれ、苦労した家庭を象徴する物語として知られるようになった。
リヨン時代(#6/#7/#39)
引用:footpack
リヨン加入当初は39番を維持したが、その後リーグの番号規定の都合で#6や#7に変更。
しかしクラブ側が例外承認を得て、再び#39を登録できるようにしたという逸話も残っている。
フランス紙『L’Équipe』は「落ち着きと視野の広さで中盤を掌握し、39番を新たな象徴に変えた」と評価した。
ニューカッスル時代(#39)
引用:eplindex
プレミアリーグ移籍後も、彼は迷わず#39を選択。
デビュー戦(2022年3月10日、サウサンプトン戦)での“バックヒール・ボレー弾”は、英BBCが「39番の魔法」と報じたほどの衝撃を与えた。
そして2025年、クラブキャプテンとして70年ぶりの国内カップ優勝(カラバオ杯)を達成。
彼は試合後のインタビューでこう語っている。
“This is my second home. We are making history.
When I leave, I hope fans sing my name like they do for Shearer.”
(ここは僕の第二の家だ。歴史をつくっている。いつか去る日が来ても、シアラーのように僕の名を歌ってほしい。)en-wikipedia-org-wiki-Bruno_Gui…
ブラジル代表・オリンピック代表 背番号一覧
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期間 | チーム | 背番号 |
---|---|---|
2019–2020 | ブラジルU23代表 | 5 |
2020–2021 | ブラジル五輪代表 | 8 |
2020–2021 | ブラジル代表(A代表デビュー) | 8, 15, 16, 17, 18 |
2021–2023 | ブラジル代表 | 8, 17 |
2023–現在 | ブラジル代表 | 5, 8【現行】 |
代表でのエピソードと海外評価
東京五輪代表(#8)
2021年東京オリンピックでは#8を着用し、リシャルリソンやクラウディーニョと共に中盤を支えた。
南米メディア『CONMEBOL』は「冷静沈着で知性をもたらした8番」と評し、彼は大会MVPにも選ばれている。
A代表デビュー期(#8)
2020年11月、ウルグアイ戦でA代表デビュー(#8)。
スペイン紙『AS』は「彼のような8番が欲しい」と評し、ブラジル国内でも“ポスト・カゼミロ”の最有力候補と報じられた。
2022年W杯南米予選のボリビア戦では代表初ゴールを記録し、『The Guardian』は「#8がピッチ全体を支配した」と報じている。
39番に込めた思い
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ブルーノ・ギマランイスにとって39番は、ただの番号ではない。
それは――
「父の努力、家族の絆、そして自分の原点を永遠に忘れないための数字。」
リオデジャネイロの下町でタクシー運転手として家族を支え続けた父への敬意を込め、彼はブラジルからフランス、そしてイングランドへと舞台を変えても、この番号を守り続けている。
『OneFootball』や『Yahoo Sports』もこのストーリーを「フットボール界でもっとも美しい背番号の理由」と紹介している。
“O número 39 é a minha história. É o meu pai, a minha família, o meu começo.”
(39は僕の物語。父であり、家族であり、そして僕の始まりなんだ。)
— Bruno Guimarães via OneFootball
さいごに
ブルーノ・ギマランイスの「39番」は、単なる背番号ではなく、家族への敬意と原点の象徴です。
父のタクシー番号をそのまま背負い、どの国でも、どのクラブでも、その数字を守り続ける――。
彼のプレーには、父が昼夜を問わずハンドルを握り、家族を支えた姿が重なります。
ニューカッスルのキャプテンとしてチームを牽引する今も、その“39”は彼の誇りと感謝の証。
「39は、僕の物語。父であり、家族であり、そして僕の始まりなんだ。」
この言葉が示す通り、彼にとって39番は、努力・感謝・原点回帰の象徴であり続けています。
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