ブラジル代表の中盤で静かに試合を支配する男、ブルーノ・ギマランイス。
華やかなスター選手たちが集うセレソンの中にあって、彼は“見えない支配者”としてチームを整える存在だ。
ニューカッスル・ユナイテッドでキャプテンとしてプレミアリーグを戦い、攻守のバランスを自在に操るそのプレースタイルは、カゼミーロの後継者として注目を集めている。
今回は、戦術的インテリジェンスと高い技術を兼ね備えたギマランイスのプレースタイルとポジションを徹底解説する。
この記事の内容
ブルーノ・ギマランイス|プレースタイルとポジション
引用:lequipe
ニューカッスル・ユナイテッドとブラジル代表の中盤を支配するブルーノ・ギマランイス。
彼のプレーは「戦術理解」「インテリジェンス」「守備強度」「パス精度」「リーダーシップ」の5要素で語られる。
卓越した戦術理解とゲーム支配力
ギマランイスは戦況を読む力に長けており、ボールを受ける位置・角度・テンポの調整までを全て計算して動く。
ニューカッスルではエディ・ハウ監督のもと、チームのビルドアップと守備ブロックの両方を支える“中盤の心臓”として機能している。
Coaches Voiceは彼を「戦術的に最も知的なMFの一人」と評し、
“He knows when to slow the tempo and when to speed it up to exploit gaps created by patient build-up.”(彼はいつテンポを落とし、いつ加速すべきかを知っている)
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と分析している。
精密なパスレンジとビルドアップ能力
右足のキックレンジはプレミアでも屈指。中盤からライン間を通す縦パスや、サイドチェンジで試合を展開する能力に優れる。
特に中央エリアでのパス精度が高く、味方のポジショニングに応じて地上・ロングボールを自在に使い分ける。
リヨン時代の監督ルディ・ガルシアも彼を「中盤で最も創造的な司令塔」と称賛した。
また、「ディフェンスのラインを切り裂くパスを一本で通す選手」として欧州メディアが取り上げており、
“He breaks lines with his passing into more advanced teammates.”(前線へのパスで相手ラインを切り裂く)
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と紹介されている。
引用:YouTube
守備時のアグレッシブさと予測力
ギマランイスは単なるテクニシャンではない。守備の局面でも極めて献身的で、ボール奪取後の切り替えスピードの速さはブラジル代表でも群を抜く。
Coaches Voiceによると、
“Without the ball, he is strong, aggressive and extremely competitive when it comes to regaining possession.”(ボールがないとき、彼は強く、攻撃的で、競争心が非常に強い)
タックル成功率も高く、両足でボールを奪える柔軟性があるため、相手に選択肢を与えない。
ブラジル国内メディア「Globo Esporte」は、彼を「カゼミーロとパケタの中間に位置する理想的なバランサー」と表現している。
引用:YouTube
リーダーシップとメンタリティ
2024–25シーズン、ニューカッスルでキャプテンに就任。
カラバオカップ優勝時には、56年ぶりのタイトルを掲げながら
“This is my second home. We are making history.”(ここは第二の故郷だ。私たちは歴史を作っている)
と語った姿が印象的だった。
その献身性はブラジル国内でも高く評価され、**「中盤の魂」**と称されている。
高い運動量と試合支配の持続力
2023–24シーズンのプレミアリーグで37試合・423km走破という驚異の数値を記録。
これはリーグ全選手中トップであり、走力と集中力の両立を示している。
守備から攻撃へのトランジション(切り替え)でも中心的役割を果たし、ボールを受けては前線へ展開し、再び守備に戻る──その“往復型プレー”が彼の代名詞だ。
ポジション
ブルーノ・ギマランイスの本職は、守備的ミッドフィールダー(DMF)だが、チーム戦術や試合展開によってセントラルMF(CMF)やアンカー(Single Pivot)としても柔軟にプレーする。
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ニューカッスルでは主に4-3-3の中央アンカーとして起用され、後方からゲームを組み立てる。
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リヨン時代は**ダブルボランチ(4-2-3-1)**でもプレーし、ボール循環とビルドアップの橋渡しを担当した。
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代表ではカゼミーロと併用される2ボランチや、インサイドハーフとして前線のサポートに入る試合も多い。
Coaches Voiceの戦術分析によると、
“He can play as a deep-lying midfielder or higher up in a central-midfield two or three.”(彼は低い位置でも、2枚・3枚構成の中盤でもプレーできる)
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つまり、守備型MFとしての守備力と、攻撃的MFとしての創造性の両方を併せ持つ「ハイブリッド型ミッドフィールダー」である。
さいごに
ブルーノ・ギマランイスは、チームの歯車ではなく“心臓”である。
守備で相手を読み切り、攻撃では的確なパスでテンポを作る。
その冷静な判断力と豊富な運動量が、彼を現代型ボランチの理想形へと押し上げた。
プレミアリーグではニューカッスルの象徴として、そしてブラジル代表では次世代のリーダーとして、彼の存在感はますます強まっている。
「戦術眼・技術・献身」を兼ね備えたギマランイスこそ、新時代のセレソンを支える“中盤の建築士”だ。
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