ニューカッスル・ユナイテッドの中盤を支配する男――ブルーノ・ギマランイス。
ブラジル・リオの下町から世界最高峰のプレミアリーグへと駆け上がった彼の背中には、数字以上の価値が宿っている。
年俸15億円超、移籍金69億円、そして市場価値132億円──。
この記事では、ブルーノ・ギマランイスの年俸推移・移籍金の背景・最新の市場価値と今後の展望
を、海外メディアの評価やクラブ内ランキングとともに徹底解説する。
「#39の心臓」と呼ばれる男の真の価値とは?
この記事の内容
ブルーノ・ギマランイス|年俸・移籍金・市場価値【2025年最新版】
年俸推移(クラブ別)
年度 | 所属クラブ | 年俸 (ポンド) |
年俸 (日本円換算) |
備考 |
---|---|---|---|---|
2017–2020 | アトレチコ・パラナエンセ | £120,000 | 約2,280万円 | 若手期・初契約 |
2020–2022 | オリンピック・リヨン | £1,800,000 | 約3.4億円 | 欧州挑戦で大幅アップ |
2022–2023 | ニューカッスル | £5,200,000 | 約9.9億円 | 移籍初年度から主力に |
2023–2024 | ニューカッスル | £7,800,000 | 約14.8億円 | チーム躍進に伴い昇給 |
2025–2026 | ニューカッスル | £8,320,000 | 約15.8億円 | 現行契約(2028年まで) |
週給:£200,000(基本+ボーナス)=約3,800万円
総年収:約10.4億ポンド=約19.7億円相当
クラブでのエピソードと当時の評価
アトレチコ・パラナエンセ:無名から“中盤の皇帝”へ
ブルーノはリオ出身ながら、名門クラブから声がかからず、アウダックスを経てアトレチコ・パラナエンセに移籍。
最初の半年はベンチすら入れない時期が続いたが、当時の監督チアゴ・ヌネスが「彼は守備的MFにしては異常な視野を持つ」と絶賛。
2018年のスダメリカーナでチームを優勝へ導くと、“南米のモドリッチ”と呼ばれるようになった。
ブラジル誌『Lance!』は当時こう記した。
“Bruno joga com o cérebro e o coração — ele sente o jogo antes da bola chegar.”
「ブルーノは頭と心でプレーする。ボールが来る前に展開を読んでいる。」
この頃から、海外スカウトが注目。リヨン、アーセナル、ベンフィカが動向を追ったと言われる。
リヨン時代:リーグ・アンの「静かなる司令塔」
引用:topmercato
2020年冬、€20m(約33億円)でリヨンへ移籍。
加入直後にコロナ禍の影響でリーグが中断されたが、再開後のCL準決勝進出に貢献。
グアルディオラ率いるマンチェスター・シティを破った試合では、圧倒的なボール奪取とテンポ支配で欧州中の注目を浴びた。
フランス紙『L’Équipe』は
「リヨンが見つけた黄金の心臓。若いのに試合を支配する落ち着きと知性を持つ」
と評し、当時のチームメイトデパイも「彼が中盤にいるだけで安心感がある」とコメント。
また、欧州分析サイト『Squawka』は2021年のスタッツで「リーグ・アンのMFで最も多くのタックル成功数を記録した選手」としてギマランイスを1位に挙げた。
ニューカッスル時代:カオスを秩序に変えた男
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2022年1月、サウジ資本による大型補強第一弾として、リヨンから€42.1m(約69億円)で移籍。
当初は「金目当ての選手」と揶揄されたが、デビュー戦で見せたバックヒール弾(vsサウサンプトン)がすべてを変えた。
英BBCはこの試合を「Magical 39」と題して報道。
“In a team still finding its identity, Bruno Guimarães brings soul, rhythm, and leadership.”
(チームがまだ方向性を探している中で、ブルーノは魂とリズム、リーダーシップをもたらした。)
2023–24シーズンにはキャプテン代行としてチームをリーグ5位へ導き、地元紙『Chronicle Live』は「キーボードより彼の名を多くタイプした年はない」とまで表現。
ファンの間では、“Heart of Newcastle(ニューカッスルの心臓)”と呼ばれるようになった。
移籍金の推移と当時の海外評価
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年度 | 移籍元クラブ | 移籍先クラブ | 移籍金 (ユーロ) |
日本円換算 |
---|---|---|---|---|
2020年1月 | アトレチコ・パラナエンセ | オリンピック・リヨン | €20,000,000 | 約33億円 |
2022年1月 | オリンピック・リヨン | ニューカッスル | €42,100,000 | 約69億円 |
契約解除金(リリース条項)は、£100,000,000(約190億円)。
当時の海外メディア反応
英『The Guardian』
「ニューカッスルが最初に手に入れた“本物のワールドクラス”」
「金にものを言わせた移籍ではなく、未来への礎となる投資だ」
『Sky Sports』
「彼は守備的MFの枠を超えている。奪って、配り、走り、鼓舞する」
「この金額(約69億円)は、数か月でバーゲンになるだろう。」
仏『Le Parisien』
「リヨンが彼を失ったのは、チームの“魂”を失ったに等しい。」
移籍後わずか半年でその評価は的中。2023年には英国紙『Daily Mail』が選ぶ“プレミアリーグ中盤ベスト3”に選出。
さらに2024年、ブラジル代表で10番を任される試合もあり、「カゼミロの後継者は彼」と評されている。
市場価値の推移(過去5〜6年の要点)
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年・出来事 | 市場価値(€) | 日本円(概算) | メモ |
---|---|---|---|
2020年1月(リヨン移籍時) | €20m | 約33億円 | 欧州挑戦スタート |
2022年1月(ニューカッスル移籍時) | €42m | 約69億円 | プレミア参戦で一段上へ |
2023年5月(代表定着期) | €70m | 約115億円 | 欧州での評価が一気に可視化 |
2025年5月(最新) | €80m | 約132億円 | 現在の評価額(最終更新 2025-05-30) |
参考:過去最高 | €85m | 約140億円 | “Highest market value”の表示あり |
※上表はTransfermarktの表示レンジに基づくキーポイント抜粋です。
細かな増減の“中間ポイント”は推移グラフのカーブとして表現されています(=上記年以外にも小刻みな上下があります)。
今後の市場価値予測
ブルーノ・ギマランイスは2025年時点で27歳。
ボランチとしてはキャリアの黄金期に突入している。
近年の中盤選手の市場動向を見ると、
-
デクラン・ライス(アーセナル)=€120m
-
チュアメニ(レアル)=€100m
-
ロドリ(マンC)=€110m
といった水準であり、彼の€80mはまだ伸びしろがある。
英『The Athletic』はこう分析している。
“If Newcastle reach the Champions League again, Bruno’s value will skyrocket to €100m+ range.”
(ニューカッスルが再びCLに戻れば、ブルーノの市場価値は1億ユーロを超えるだろう。)
ブラジル国内では『Globo Esporte』が「次期代表キャプテン候補」と報じており、彼が“ブラジル代表の心臓”として継続的に出場を重ねれば、
2026年W杯後には€90〜100m(約149〜165億円)に達する可能性が極めて高い。
さらに、彼の契約が2028年まで残っていることから、もしレアル・マドリードやマンチェスター・シティが獲得に動く場合、
移籍金は、€100〜120m(約165〜198億円)が必要とされると見られている。
さいごに
ブルーノ・ギマランイスは、数字だけで語れない“価値”を持つ選手だ。
父のタクシー番号「39」を背負い、家族愛と責任感を胸にプレーするその姿は、ニューカッスルの象徴であり、ブラジル代表の未来でもある。
移籍金69億円から始まった挑戦は、今や市場価値132億円へと成長。
年俸ランキングでチーム最高額を誇りながらも、彼が見つめる先は「タイトル」と「誇り」。
“I play for my family, for the fans, and for this city.”
― ブルーノ・ギマランイス
この言葉の通り、彼は金額以上の“価値”を証明し続けている。
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