伊東純也は、日本代表の右サイドを任され続けてきた「快速ウインガー」です。
ヴァンフォーレ甲府から柏レイソルを経て、ベルギー・KRCヘンク、フランス・スタッド・ランスとキャリアを重ね、クラブと代表の両方で確かな実績を積み上げてきました。
特筆すべきは豊富なアシストと決定的な突破力。
欧州の厳しい環境でも適応力を示し、日本代表ではW杯予選で圧倒的な存在感を放っています。
本記事では、クラブ別・シーズン別、日本代表の大会別成績をデータで整理し、海外の反応や評価も交えて伊東純也の魅力と課題を徹底解剖します。
この記事の内容
伊東純也のシーズン別成績(ゴール&アシスト)
引用:krcgenk
シーズン | ゴール | アシスト |
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2015 | 4 | 2 |
2016 | 7 | 5 |
2017 | 6 | 6 |
2018 | 6 | 12 |
2019/20 | 5 | 7 |
2020/21 | 10 | 12 |
2021/22 | 8 | 15 |
2022/23 | 6 | 5 |
2023/24 | 3 | 7 |
2024/25 | 4 | 5 |
シーズン別のゴール&アシストをまとめた棒グラフを作成しました!
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左の棒がゴール
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右の棒がアシスト
👉 2018年の柏レイソル時代にアシストが大きく伸び、ヘンク移籍後の2020/21・2021/22シーズンには得点とアシスト両方で二桁を記録しているのが一目で分かります。
各シーズンの特徴と解説
2015年(甲府)
Jリーグでの本格的な挑戦が始まったシーズン。
数字的には控えめですが、当時からスピードを活かした突破力で存在感を示しました。
まだ若手で課題も多かったものの、プロの舞台に適応する大事なステップに。
2016年(甲府→柏レイソル)
移籍後、プレーの幅が広がりゴール・アシストともに増加。
攻撃参加の積極性が強みとなり、チームの攻撃に厚みを加えました。
課題は波があること。まだコンスタントに数字を残す段階には至っていません。
2017年(柏)
ゴールとアシストのバランスが取れたシーズン。
安定して試合に絡み始め、Jリーグの中でも注目のウィンガーとして評価が高まりました。
クロスやスルーパスの精度が課題。
2018年(柏)
アシスト数が大きく伸びたシーズン。
特にサイドからの突破とクロスの質が向上し、味方フォワードの得点を支える場面が多かったことが数字に表れています。
引用:YouTube
ゴール数が伸びなかったのは課題ですが、チームの“仕掛け役”として役割を確立しました。
2019/20年(ヘンク)
欧州移籍初年度。
新しい環境でも一定のゴール・アシストを記録し、ベルギーリーグのスピードやフィジカルに順応。
まだ課題はフィニッシュ精度でしたが、「海外でも通用する」と証明。
2020/21年(ヘンク)
得点二桁・アシスト二桁を記録し、キャリアのハイライトの一つ。
ヘンクの攻撃を支える主力となり、「勝負を決める存在」としてクラブとリーグからも高い評価を得ました。
2021/22年(ヘンク)
さらにアシスト数を伸ばし、リーグ屈指のプレーメーカーに。
チームメイトとの連携が深まり、スルーパスや決定機創出が増加。
引用:YouTube
強みは創造性でしたが、一方でゴール数が前年よりやや減少。
決定力に課題を残しました。
2022/23年(スタッド・ランス)
フランス・リーグアンでの初挑戦。
高いフィジカルや戦術理解を要求される中でも6ゴール5アシストを記録し、適応力の高さを見せました。
引用:YouTube
守備面での貢献も求められる環境に課題を残しましたが、クラブでの評価は上々。
2023/24年(ランス)
ゴール数は減少しましたが、アシスト数を維持。
年齢的な影響やクラブ全体の戦力状況もあり、コンスタントに数字を積み上げることが難しい状況に。
それでも「流れを変えるジョーカー的役割」もこなしました。
2024/25年(ランス→ヘンク復帰)
ゴールとアシストをバランスよく記録。
再び古巣ヘンクに復帰し、経験豊富なベテランとしてチームを牽引。
これからは「若手への影響力」「リーダーシップ」も期待される段階に入っています。
シーズン別成績の総括
強み
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成長曲線の明確さ
2015年のプロデビュー時は小さな数字でしたが、2018年にアシストを大幅に増加。2020/21・2021/22シーズンには二桁得点・二桁アシストを記録。プレースタイルの成熟と成長が数字に表れています。
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アシスト能力の高さ
特にヘンク時代はチャンス創出の中心となり、2021/22のアシスト15は欧州リーグでも評価される数字。クロスやスルーパス、ドリブル突破で決定機を量産しました。 -
適応力の速さ
移籍初年度でも一定の成績を残せる点は大きな強み。2019/20のベルギー初年度や2022/23のリーグアン初年度でも6〜7アシストを記録し、リーグの特性に早く馴染んでいます。
課題
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ゴール数の伸び悩み
二桁ゴールを記録したのは2020/21のみ。アシストに比べると得点面は安定しておらず、決定力の波がキャリア全体の課題となっています。
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年齢による影響
30代に入り、2023/24以降は数字が落ちつつある傾向。スピードや運動量に依存するプレースタイルゆえに、年齢による衰えが注目されやすい状況です。
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守備面での課題
フランス・リーグアンでは、守備タスクやフィジカル対応を求められ、持ち味の攻撃力を発揮しきれない試合も見られました。
今後期待されること
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決定力アップによる数字の安定化
得点数を安定して積み上げられれば、ウイングとしての価値はさらに高まります。ラストパスだけでなく、自ら仕留める力を磨くことが課題。 -
経験を活かしたプレー
2024/25に古巣ヘンクへ復帰したこともあり、若手選手への良き手本としての役割も期待されています。突破だけでなく、プレー選択やリーダーシップでチームを支える段階に。 -
代表での存在感継続
森保ジャパンでも右サイドは伊東が担ってきた重要なポジション。今後も国際大会での活躍が期待され、ベテランとしてチームをまとめる力も求められるでしょう。
伊東純也の日本代表 大会別成績
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伊東純也の 日本代表・大会別成績(ゴール&アシスト)グラフ を作成しました!
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左の棒:ゴール
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右の棒:アシスト
👉 特に W杯アジア予選でのアシスト数(19) が突出しており、日本代表の攻撃を支えるキープレイヤーであることが視覚的に分かります。
日本代表 大会別成績の特徴と総括
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親善試合(26試合/7ゴール4アシスト)
代表キャリアの土台となった舞台。
2018年のコスタリカ戦で代表初ゴールを挙げて以降、スタメン・途中出場を重ねて存在感を示しました。
強みは、相手の分析が十分に進んでいない状況でスピードを活かせる点。
一方で守備や連携面での課題が浮き彫りになることもありました。
親善試合での実績が、伊東を「本番で頼れる存在」に押し上げたといえます。
W杯アジア予選(23試合/7ゴール19アシスト)
伊東純也の代表キャリアを語る上で欠かせない舞台。
森保ジャパンで右サイドを任され、突破からのクロスやカットインによって圧倒的なアシスト数を記録しました。
19アシストは日本代表攻撃陣の生命線ともいえる数字で、ゴール数も7とバランス良く貢献。
強みは「試合を決める1本を供給できる力」。
引用:YouTube
課題は決定機でのシュート精度でした。
今後も最終予選や大陸間プレーオフのような重要局面で決定的な役割が期待されます。
AFCアジアカップ(8試合/0ゴール1アシスト)
2019年大会では決勝まで進出し、カタールとの決勝戦にも出場。
数字上は大きな成果を残せなかったものの、サイドでの仕掛けや守備のタスクをこなして存在感を見せました。
課題はフィニッシュに絡む回数の少なさ。
今後のアジアカップでは、経験を活かし「試合を動かす決定的プレー」を求められるでしょう。
FIFAワールドカップ本大会(4試合/0ゴール1アシスト)
カタール大会では全4試合に出場。
スペイン戦・ドイツ戦など強豪との試合でスピードと運動量を発揮し、守備面でも大きく貢献しました。
引用:YouTube
数字としては1アシストにとどまるものの、大舞台で通用する走力と突破力を証明。
課題はゴール前での決定的な一撃を欠いたこと。2026年大会に向けては、得点に直結するプレーが一層期待されます。
東アジアE-1選手権(3試合/0ゴール0アシスト)
2017年のデビュー大会。
北朝鮮戦で代表初キャップを記録し、キャリアのスタート地点となった重要な経験でした。
数字には残っていないものの、代表定着の足掛かりとなった大会であり、当時のプレー経験がその後の飛躍につながっています。
海外からの反応と評価(代表戦関連)
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強い意志と代表招集
→ 韓国のメディア Maeil Business Newspaper によれば、2025年9月の代表招集時、伊東純也は「2026年北中米ワールドカップに向けて強い意志を示している」と報じられています。復帰を希望し、フィジカルコンディションを段階的に戻す意向を語った、とのこと。 -
華麗な足さばきとファンからの人気
→ The Strait Times 等の報道では、ワールドカップ本大会での日本代表の敗退に対し、「多くのサポーターのお気に入り選手」として伊東純也の「足さばきが巧みで観ていて楽しい選手」という声が挙がった、という記事があります。 -
7-0 対中国でのゴールを含む勝利の一端
→ World Cup 予選の中国戦(日本対中国 7-0)の試合で、伊東純也も得点者となり、メディアでは「中国を粉砕した日本の攻撃陣」の一人として名前を挙げられています。試合後、敵国のファン・メディアからは「惨敗」「恥ずかしい」といった批判も大きく、日本側では攻撃層の迫力を示したと評価する声が多数。 -
クラブ契約/移籍・フランス降格後の対応について
→ フランス・ランスが降格した後、伊東がベルギーのヘンクに復帰する選択をしたことについて、「年齢・コンディションを考慮し、慣れた環境を選んだ」と韓国メディアで分析されています。これは代表でのコンディション維持と、ワールドカップに向けた準備を重視した判断として肯定的に報じられています。 -
将来性と残りキャリアへの期待
→ メディア報道では、伊東が「ヨーロッパで培った経験」「様々なスタイル・強豪との対戦経験」が代表戦で有利に働くとの見方が強く、本人も「ワールドカップ本大会でのピッチ時間を確保したい」「勝負どころで決定的な仕事をするプレイヤーであり続けたい」と発言しているとされています。
さいごに
伊東純也は、キャリアを通じて「速さ」と「創造性」でチームを支えてきた選手です。
ヘンク時代の二桁得点・二桁アシスト、ランスでの欧州適応、そして日本代表での圧倒的なアシスト数は、その価値を証明しています。
一方で、ゴール数の安定や年齢によるフィジカル維持は課題として残されています。
これからはベテランとしての経験を生かしつつ、決定力をさらに磨くことで、代表でもクラブでも「勝負を決めるウインガー」としての存在感を発揮し続けるでしょう。