マルティン・スビメンディは、現代サッカーを代表する“純正アンカー”として脚光を浴びる存在ですが、その背番号の変遷には彼のキャリアと戦術的価値が凝縮されています。
レアル・ソシエダ時代の36番、アンカーの象徴である3番・4番、アーセナルでの原点回帰の36番、そしてスペイン代表での18番・6番…。
それぞれの番号には、チーム内での役割、監督からの評価、戦術的な意味が明確に表れています。
本記事では、クラブ&代表の歴代背番号一覧とともに、番号にまつわるエピソード、海外の反応、現地メディアの評価までを徹底解説。
■ 1. クラブ別:歴代背番号一覧(詳細解説つき)
Transfermarktの背番号情報から(PDF参照)
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| シーズン | クラブ | 背番号 | 役割の変遷 |
|---|---|---|---|
| 2025-26 | アーセナル | 36 | “原点回帰”の象徴。落ち着きと謙虚さを示す番号 |
| 2024-25 | レアル・ソシエダ | 4 | 守備的MFの“精神的支柱”として継承 |
| 2023-24 | レアル・ソシエダ | 4 | 公式戦44試合以上、絶対的アンカー |
| 2022-23 | レアル・ソシエダ | 3 | 新世代アンカーとして中心に |
| 2021-22 | レアル・ソシエダ | 3 | 3番への変更=イジャラメンディからの事実上の継承前夜 |
| 2020-21 | レアル・ソシエダ | 36 | トップチーム定着シーズン |
| 2019-20 | レアル・ソシエダ | 36 | プロ入り後の最初の番号 |
| 2019-20 | ソシエダB | 4 | キャプテン候補の背番号扱い |
| 2018-19 | レアル・ソシエダ | 36 | 初トップ登録 |
| 2018-19 | ソシエダB | 6 / 8 / 14 / 15 | 中盤全ポジションを経験し役割を学ぶ |
| 2017-18 | ソシエダB | 15 | 守備的MFとしての固定化開始 |
| 2016-17 | ソシエダB | 14 | U19昇格直後。複数ポジション学習期 |
→ 特徴:若手番号36 → 中核番号3 → “象徴”の4 → アーセナルで再び36
番号の変遷だけで「スビメンディの役割の変化と信頼度の推移」が読み取れる。
■ 2. スペイン代表:背番号の歴史(象徴性まで徹底解説)
Transfermarktの代表データ
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| シーズン | 代表カテゴリー | 背番号 | 意味・背景 |
|---|---|---|---|
| 2025-26 | A代表 | 18 | カンテラ出身DMの新世代番号 |
| 2024-25 | A代表 | 6 / 18 | “6番=アンカーの象徴”を継承し始める |
| 2023-24 | A代表 | 18 | EURO予選で主力化 |
| 2022-23 | A代表 | 5 / 18 / 22 | 役割テスト期 |
| 2020-21 | 五輪代表 | 6 | 4-3-3アンカーの中心 |
| 2020-21 | U21 | 6 | DMの正統後継番号 |
| 2019-20 | U21 | 14 / 18 | 中盤の万能性を評価 |
この記事の内容
- 0.1 ● “6番の意味”
- 0.2 ◆ ⑴ 36番時代:トップ昇格直後の“無名のクリーンアンカー”
- 0.3 ◆ ⑵ 3番への昇格:アンカーの主軸としての信任
- 0.4 【監督イマノルの意図】
- 0.5 ◆ ⑶ 4番時代:イジャラメンディからの継承
- 0.6 【当時のスペインメディア】
- 0.7 ◆ ⑴ なぜ36番を選んだのか?
- 0.8 ◆ ⑵ アルテタ監督の評価(移籍直後)
- 0.9 ◆ ⑶ アーセナルでの“36番”は新しい象徴へ
- 0.10 ◆ ⑴ 6番を着けた試合=チームの秩序担当
- 0.11 ◆ ⑵ 18番時代=テスト期間の象徴
- 0.12 ◆ ⑶ EURO2024決勝での“静かな英雄”
- 0.13 ● 英国(プレミア加入後)
- 0.14 ● スペイン
- 0.15 ● ファン
- 1 まとめ
● “6番の意味”
スペイン代表において 6番=アンカーの正統番号。
-
セルヒオ・ブスケツ
-
イニエスタ(中盤の象徴)
スビメンディもA代表で6番をつけ始め、
「ブスケツの後継者」 と本格的に扱われるようになった。
■ 3. クラブ別:背番号の背景・エピソード(詳細解説)
以下は 各シーズンの“番号が決まった理由・監督の意図・チーム内での位置づけ” を深堀りした内容。
■ 3-1. レアル・ソシエダ 〜スビメンディの原点〜
◆ ⑴ 36番時代:トップ昇格直後の“無名のクリーンアンカー”
スビメンディがトップチーム登録された際、
付けていたのが 「36番」(2018-2020)。
当時の彼の役割は
-
プレス回避の補助
-
終盤の試合管理
-
ボール循環の安定化
特に2019-20シーズンは、途中出場で“試合の温度を下げる”力を買われていた。
スペイン紙『Noticia de Gipuzkoa』は当時こう評価:
「この若者は、まるで10年プロを経験したかのような落ち着きを持つ。」
◆ ⑵ 3番への昇格:アンカーの主軸としての信任
2021-22に “3番” へ。
これは単なる配置転換ではなく、
「チームの心臓は彼」という象徴的な番号移行。
ソシエダにおける“3番”は、
-
最終ラインの前で強度を出す選手
-
守備的中盤の核
が歴代つけてきた番号。
【監督イマノルの意図】
地元メディアによると、
イマノル監督は練習段階で
「彼はチームの秩序を作る存在。私が求める3番だ。」
と語っていたという。
◆ ⑶ 4番時代:イジャラメンディからの継承
2023-24〜2024-25は “4番”。
これは完全に
「イジャラメンディ(ソシエダの象徴)からの後継番号」。
ブスケツがバルサの5番でチームの軸だったように、
ソシエダでは 4番=戦術の中心 を意味する。
【当時のスペインメディア】
-
「彼は静かに試合を支配する。」
-
「ソシエダのビルドアップは彼なしには語れない。」
-
「ボールの落ち着きどころ。」
“静かな支配者(silent controller)” という表現も複数紙から登場。
■ 3-2. アーセナル(2025〜):アルテタの“最後のピース”
PDFに記載があるとおり、アーセナルでの登録番号は “36番”。
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◆ ⑴ なぜ36番を選んだのか?
アーセナルは伝統的に
-
6番=アンカー
-
8番=ボックス・トゥ・ボックス
-
5番=最終ラインのリーダー
という固定文化が強い。
にもかかわらず、
スビメンディは 「36番を選んだ」。
地元紙『Evening Standard』によれば、
「自分がどの番号で評価されるかではなく、プレーで評価されたい」
「ソシエダ時代の原点を思い出す番号」
と語ったという。
→ 非常にスビメンディ的な選択。
◆ ⑵ アルテタ監督の評価(移籍直後)
アーセナル加入後、アルテタはこう語った:
-
「我々のゲームモデルの中心を任せたい選手」
-
「ロドリと同じタイプではないが、同じくらいゲームを読む」
-
「プレス回避の才能はプレミアの中でもトップ3に入る」
実際に プレミア25/26で12試合2得点1アシスト。
(Transfermarktデータより)
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守備的MFながら攻撃参加の回数が明確に増えている。
◆ ⑶ アーセナルでの“36番”は新しい象徴へ
ファンの間では
「36番=冷静に試合を支配するMF」
というイメージが定着しつつある。
SNSでは、
“Zubi 36 controlling the tempo again.”
“Calmness personified.”
と称されており、ロドリと比較する声も多い。
■ 4. スペイン代表:背番号と戦術的役割の関係
◆ ⑴ 6番を着けた試合=チームの秩序担当
A代表で6番を着用した試合は
-
試合のコントロール
-
相手のトップ下の消し
-
第三の動きの制御
など “ゲームマネジメント枠” として起用されている。
◆ ⑵ 18番時代=テスト期間の象徴
18番で起用されていたのは
-
デビュー初期
-
中盤構成のテスト時
であり、
「試合の流れを整えるジョーカー」としての役割が多かった。
◆ ⑶ EURO2024決勝での“静かな英雄”
スビメンディは 決勝戦の後半45分出場。
(PDF:代表データ)
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当時の海外評価:
“Spain regained control the moment Zubimendi stepped in.”
(スビメンディが入った瞬間、スペインは再び試合を支配した)
“He plays like Busquets without the spotlight.”
(ブスケツのようにプレーするが、派手さがない)
■ 5. 背番号の推移から見える「スビメンディの本質」
スビメンディの背番号は、
ただの数字ではない。
若手番号 36 → 中核番号3 → 象徴番号4 → 原点回帰36
この流れは完全に
「チームの中心に据えられるタイプのMF」
であることを示している。
さらに代表で
6番(アンカーの象徴)
を任されたのは、
スペインの伝統的な“ピボーテ文化”を背負う存在になった証。
■ 6. 海外の反応(英語圏・スペイン語圏)
● 英国(プレミア加入後)
-
「ロドリの後継ではなく、新たな型の支配者」
-
「プレスの最初の矢を無効化する天才」
-
「パスの強弱が完璧」
● スペイン
-
「ブスケツの後継に最も近い」
-
「守備的MFの新時代を象徴する存在」
-
「ソシエダの成功は彼抜きでは語れない」
● ファン
-
“No Zubi, no control.”
「ズビがいなければ、試合は落ち着かない。」
(直訳:ズビメンディがいなければ、コントロール不能)
-
“The calmest player in Spain.”
「スペインで一番落ち着いている選手だ。」
(=最も冷静で、プレッシャーに動じない選手)
-
“He is oxygen for the team.”
「彼はこのチームの“酸素”だ。」
「彼がいることでチームが呼吸できる。」(意訳)
※ サッカー用語として “oxygen” は「いないと機能しない」「生命線」という比喩。
記事では後者の意訳がより自然。
まとめ
マルティン・スビメンディの背番号の歴史は、単なる数字の移り変わりではなく、「チームの中心を任される選手」としての成長の証そのものです。
若手番号の36番から、中核選手を象徴する3番・4番、スペイン代表での6番や18番…。
監督からの信頼、チーム戦術との適合、そして国際舞台での評価が変化するたび、彼の背番号にも“物語”が刻まれてきました。
今後アーセナルで36番を背負い続けるのか、それとも象徴的な6番を手にするのか。
スビメンディのキャリアと背番号は、これからも進化し続けるはずです。


