南野拓実は、セレッソ大阪での鮮烈なデビューからザルツブルクでの飛躍、リヴァプールでの挑戦、そしてASモナコでの復活まで、常に進化を続けてきた日本を代表するアタッカーです。
クラブ別・シーズン別、日本代表での大会別に成績を整理すると、単なる数字以上に「戦術的役割の変化」と「勝負強さ」が浮かび上がります。
さらに、The GuardianやL’Équipeなど海外メディアの評価、日本人最多のCL得点記録といったトピックも交え、南野拓実のキャリアを徹底分析します。
この記事の内容
クラブ成績(シーズン別)
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シーズン | クラブ | 出場 | 得点 | アシスト |
---|---|---|---|---|
2012 | セレッソ大阪 | 5 | 1 | 0 |
2013 | セレッソ大阪 | 38 | 8 | 0 |
2014 | セレッソ大阪 | 37 | 7 | 3 |
2015前半 | セレッソ大阪 | 15 | 1 | 0 |
2014/15 | RBザルツブルク | 17 | 3 | 3 |
2015/16 | RBザルツブルク | 40 | 13 | 6 |
2016/17 | RBザルツブルク | 31 | 14 | 4 |
2017/18 | RBザルツブルク | 44 | 11 | 9 |
2018/19 | RBザルツブルク | 45 | 14 | 10 |
2019/20前半 | RBザルツブルク | 22 | 9 | 10 |
2019/20後半 | リヴァプール | 14 | 0 | 0 |
2020/21 | リヴァプール | 17 | 4 | 2 |
2020/21後半 | サウサンプトン(loan) | 10 | 2 | 0 |
2021/22 | リヴァプール | 24 | 10 | 1 |
2022/23 | ASモナコ | 25 | 1 | 4 |
2023/24 | ASモナコ | 31 | 9 | 6 |
2024/25 | ASモナコ | 43 | 9 | 5 |
2025/26 | ASモナコ | 4 | 2 | 0 |

南野拓実のシーズン別「得点」と「アシスト」推移を同じグラフに表示してあります。
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青の折れ線:得点
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オレンジの折れ線:アシスト
セレッソ大阪(2012–2015)
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ブレイクの始まり
高卒ルーキーながら2012年にJ1デビュー。2013年には38試合8得点を記録し、新人王を受賞。俊敏なドリブルと積極的な仕掛けで「セレッソの未来」と評された。 -
国際色豊かな共演
フォルランやカカウといった元代表FWと共演。試合を重ねるごとにゴール前での冷静さが増し、Jリーグでの評価を確立。
RBザルツブルク(2015–2020)
引用:theguardian
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欧州挑戦と飛躍
2015年冬に加入。2015/16からシーズン通してプレーし、リーグで二桁得点を記録。ザルツブルク黄金期を支え、毎年タイトルに貢献した。 -
欧州舞台でのインパクト
2018/19にはEL準決勝まで進出。2019/20のCLリヴァプール戦ではゴールを奪い、世界に存在を知らしめた。
引用:YouTube
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スタイルの確立
左WGやセカンドトップ、トップ下でプレー。スピードだけでなく、ゴール前の冷静さとラストパス精度が評価され、アシスト数も増加した。
リヴァプール(2020–2022)
引用:goal
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出場機会の壁
プレミアの強豪に移籍したものの、サラーやマネ、フィルミーノらの層の厚さにより出場は限定的。 -
“カップ戦キング”
2021/22シーズンにはFAカップとカラバオカップで計10得点。レスター戦での土壇場同点弾は「リヴァプールを救った」と英メディアが報道。ファンからも「カップ戦のスペシャリスト」と呼ばれた。
引用:YouTube
サウサンプトン(2021, loan)
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即戦力として存在感
ローン移籍直後のデビュー戦でゴール。合計10試合2得点と短期間ながら結果を残した。 -
役割
中盤のインサイドからゴール前に飛び出し、フィニッシャーとして活躍。残留争いのチームで数少ない得点源となった。
ASモナコ(2022–)
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適応と復活
加入初年度(22/23)は1得点4アシストにとどまったが、翌23/24に9得点6アシストで完全復活。Ligue 1公式「ファン選出ベストイレブン」、L’Équipe「年間ベストイレブン」に選ばれた。 -
現在の役割
前線だけでなく中盤もこなし、起点とフィニッシュを両立。24/25も9得点5アシストと安定し、25/26も開幕からゴールを記録している。
日本代表成績(大会別)
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大会 | 出場 | 得点 | アシスト |
---|---|---|---|
W杯アジア予選 | 28 | 14 | 7 |
国際親善試合 | 27 | 7 | 1 |
AFCアジアカップ | 11 | 3 | 3 |
FIFAワールドカップ | 3 | 0 | 0 |
合計 | 69 | 24 | 11 |

日本代表(大会別)の「得点・アシスト」グラフを作成しました!
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青(左棒):得点
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オレンジ(右棒):アシスト
W杯アジア予選
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得点源としての爆発
通算14得点7アシスト。森保ジャパンでは特にアジア最終予選でゴールを量産。サイドからのカットインや裏抜けで常に脅威となった。 -
精神的支柱
大一番で先制点や同点弾を奪う勝負強さを見せ、代表の予選突破に大きく貢献した。
引用:YouTube
国際親善試合
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新戦術のテストベッド
27試合7得点1アシスト。ポジションを左右・トップ下と自在にこなし、監督のオプションとして重宝された。 -
存在感
ゴールだけでなく、プレスの連動や守備面での献身も評価されている。
AFCアジアカップ
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2019年大会の躍動
11試合3得点3アシスト。グループリーグから安定して得点を重ね、決勝進出の原動力に。AFC公式も「攻撃の心臓」と称賛。 -
アジア舞台での評価
技術の高さと勝負強さを兼ね備え、国際舞台での株を一気に上げた大会となった。
FIFAワールドカップ
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2022の挑戦
3試合に出場。ゴールこそなかったが、強豪相手に運動量とプレスで存在感。ドイツ戦・スペイン戦の勝利では献身的な走りで勝利に貢献。 -
課題
本大会で得点できていない点は本人にとっても大きなモチベーション。2026年大会に向け、再び主役となることが期待される。
海外の反応・評価
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The Guardian(2019年12月, リヴァプール加入時)
“very quick, very clever player; finds space between the lines; brave with the ball but also brave without the ball – a proper team player”
「とても俊敏で、とても賢い選手。ライン間のスペースを見つけるのがうまく、ボールを持っても、持っていなくても勇敢にプレーする ― 真のチームプレーヤーだ」
→ スピードと戦術理解、攻守両面の献身性を兼ね備えた点が高く評価された。 -
Sky Sports(2021年12月, レスター戦)
「土壇場の同点弾でリヴァプールを救った」と特集。試合終了間際の決定力を強調。 -
Ligue 1公式(2023/24シーズン)
ファン投票によるベストイレブンに選出。「安定感と貢献度が際立った」と紹介。 -
L’Équipe(フランス紙)
2023/24シーズン、平均採点がリーグ上位。年間ベストイレブン入りも果たし、「攻撃の心臓」と評された。 -
Breaking The Lines(2024年, モナコ特集)
「ウイングから中央にシフトしたことで“復讐(Redemption)”を遂げた」と解説。ハーフスペースでの役割増加が得点力復活につながったと分析。 -
AP News(2025年2月, CLベンフィカ戦)
「チャンピオンズリーグにおける日本人最多得点者」として歴史的快挙を報じる。 -
AS Monaco公式(試合後リアクション)
「2得点1アシストで3ゴールすべてに関与した」と公式サイトが称賛。チームの攻撃を支えるキーマンとして扱われている。
さいごに
南野拓実のキャリアは「適応力」と「勝負強さ」に集約されます。
セレッソ時代の突破力、ザルツブルクでのセカンドトップ、リヴァプールでのカップ戦要員、モナコでの10番的役割 ― それぞれの環境で役割を変えながらも、常にゴールとアシストという形で結果を残してきました。
日本代表でもアジア予選での得点源、アジアカップでのキーマン、本大会での献身と、多面的な貢献を続けています。
海外メディアからも「真のチームプレーヤー」「攻撃の心臓」と高く評価され、今なお欧州と代表の両舞台で進化を続ける南野拓実。
彼の次なる挑戦は、2026年W杯本大会でのゴールという大舞台での結果にあるでしょう。
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