サッカー日本代表の森保一監督は、ドイツやスペインといった世界の強豪国を破り、日本サッカー史に残る成果を挙げてきました。
しかし、その一方で「戦術がない」「選手起用がおかしい」など、就任当初から現在に至るまで批判の声が絶えません。
なぜ森保監督はこれほど評価が分かれるのでしょうか。そして、なぜ批判されながらも結果を出し続けることができるのでしょうか。
この記事では、森保一監督が批判される理由と、それでも日本代表を成功へ導いている理由を詳しく解説します。
ドイツ撃破やスペイン撃破の舞台裏、選手との信頼関係、ネット上の評価にも触れながら、その実像に迫ります。
この記事の内容
森保一はなぜ批判されるのか?
まずは森保監督が批判される理由から見ていきましょう。
戦術が見えにくいから
森保監督への批判で最も多いのが、
「どんなサッカーを目指しているのか分からない」
というものです。
世界的な名将には明確な色があります。
グアルディオラならポゼッション。
クロップならゲーゲンプレス。
シメオネなら堅守速攻。
試合を見れば、そのチームが誰のチームなのか分かります。
しかし森保ジャパンには、そのような分かりやすいラベルがありません。
試合によって、
- ボールを保持する
- 守備を固める
- カウンターを狙う
- 前からプレスをかける
など戦い方が変化します。
そのため一部のファンからは、
「戦術がない」
「選手任せ」
「個人能力に頼っている」
という批判が出るのです。
特にアジア最終予選では格下相手に苦戦する試合も多く、
攻撃の形が見えないことから批判が集中しました。
しかし実際には、森保監督は戦術を持っていないのではなく、相手によって戦い方を変えるタイプの監督です。
ドイツ戦では守備を重視し、スペイン戦ではボール保持を捨ててカウンターに徹しました。
相手の長所を消し、自分たちの勝率を上げる戦い方を選択する。
この柔軟性こそが森保監督の特徴なのですが、それが逆に「何をしたいのか分からない」という評価につながっているのです。
選手固定と呼ばれた時期があった
森保監督は長年、
「お気に入りの選手しか使わない」
という批判を受けてきました。
特に2021年から2022年頃はその声が非常に大きくなります。
当時は長友佑都や柴崎岳などベテラン選手の起用が続いていました。
一方で、
- 三笘薫
- 古橋亨梧
- 旗手怜央
など好調な選手が十分な出場機会を得られない時期もありました。
そのため、
「結果を出している選手を使わない」
「実力よりも監督の好みで選んでいる」
と批判されたのです。
特に三笘薫については、
「なぜスタメンで使わないのか」
という声が非常に多く見られました。
しかし結果的に森保監督はチームの成熟度を優先しました。
ワールドカップ本番では途中出場の三笘薫や堂安律がジョーカーとして機能し、ドイツ戦やスペイン戦で大きな役割を果たしています。
当時の判断が正しかったのかどうかは意見が分かれる部分ですが、少なくとも結果だけ見れば成功だったと言えるでしょう。
アジアカップ敗退が大きな失望を生んだ
2024年アジアカップは森保監督への批判が再燃した大会でした。
当時の日本代表は史上最強とも呼ばれていました。
欧州で活躍する選手が数多く集まり、
「優勝候補筆頭」
と評価されていたのです。
しかし準々決勝でイランに敗れ、大会を去ることになります。
この敗戦によって、
「森保監督では限界がある」
「個の能力で勝っていただけ」
「世界を目指すには監督交代が必要」
という意見が再び増えました。
特にイラン戦では試合途中の修正が遅かったという指摘もあり、采配への不満が噴出しました。
ただし、日本代表の歴史を振り返ると、トルシエ監督や岡田武史監督でさえ批判を受けていました。
むしろ期待値が高いからこそ批判も大きくなると言えるのかもしれません。
試合内容が地味に見える
森保ジャパンは派手なサッカーをするチームではありません。
大量得点を奪うよりも、
- 失点を減らす
- 試合をコントロールする
- 勝つ確率を上げる
ことを重視します。
そのため、
「面白くない」
「見ていて退屈」
という評価を受けることがあります。
実際、格下相手に1-0で勝つ試合も少なくありません。
しかし監督の仕事は観客を楽しませることではなく勝利することです。
森保監督はエンターテインメントよりも結果を重視していると言えるでしょう。
そして、その考え方が後のワールドカップで大きな成果につながることになります。
それでも森保一が結果を出し続ける理由
ここまで見てきたように、森保一監督にはさまざまな批判があります。
しかし、その一方で日本代表史に残る成果を挙げていることも事実です。
では、なぜ森保監督は結果を出し続けることができるのでしょうか。
理由① ドイツ撃破は偶然ではなかった
森保監督を語るうえで欠かせないのが、2022年カタールワールドカップのドイツ戦です。
当時のドイツは4度のワールドカップ優勝経験を持つ世界屈指の強豪国でした。
試合前の予想でも日本有利を予想する声はほとんどありませんでした。
実際、前半はドイツに押し込まれ、日本はPKで先制点を許します。
しかし森保監督は後半に大胆な決断を下しました。
守備的なシステムから攻撃的な形へ変更し、途中出場の選手を積極的に投入したのです。
その結果、
- 堂安律の同点ゴール
- 浅野拓磨の逆転ゴール
が生まれ、日本は2-1で歴史的勝利を収めました。
重要なのは、この勝利が単なる幸運ではなかったことです。
森保監督は試合中の流れを読み、必要なタイミングで戦術を修正しました。
多くの監督が自分のプランに固執する中、柔軟に形を変えられる能力は森保監督の大きな強みです。
理由② スペイン撃破で世界を驚かせた
ドイツ戦の勝利だけなら、
「番狂わせ」
と言われていたかもしれません。
しかし森保ジャパンは続くスペイン戦でも世界を驚かせます。
スペインは2010年ワールドカップ優勝国であり、世界最高レベルのポゼッションサッカーを誇るチームです。
試合では予想通りスペインがボールを支配しました。
しかし森保監督は最初からその展開を想定していました。
無理にボールを奪いに行かず、守備ブロックを形成して耐える。
そして少ないチャンスを確実に仕留める。
その狙い通り、
- 堂安律の同点弾
- 田中碧の逆転弾
で日本は2-1の勝利を収めます。
世界中のメディアが驚き、
「日本が死の組を首位通過した」
というニュースが大きく報じられました。
ドイツとスペインというワールドカップ優勝経験国を同じ大会で破った事実は、日本サッカー史に残る偉業と言えるでしょう。
理由③ 欧州強豪相手に結果を出し続けている
森保監督が評価される最大の理由は、結果です。
サッカーの世界では最終的に結果がすべてと言われます。
実際、森保ジャパンは欧州勢相手に好成績を残しています。
代表的な試合だけでも、
- ドイツ 2-1 日本
- スペイン 1-2 日本
- ドイツ 1-4 日本
- トルコ 2-4 日本
などがあります。
かつて日本代表は、
「欧州の壁」
と言われていました。
しかし現在では、
「日本とやりたくない」
と語る海外メディアも増えています。
この変化を作り出した中心人物が森保監督です。
近年では「欧州狩りのモリ」という愛称まで生まれています。
理由④ 選手からの信頼が圧倒的に厚い
監督の評価を考えるうえで忘れてはいけないのが選手との関係です。
森保監督はメディアから批判されることはあっても、選手からの信頼は非常に厚いことで知られています。
多くの選手が、
- 話を聞いてくれる
- 人として尊敬できる
- 信頼できる
と語っています。
もちろん優しいだけではありません。
代表メンバーから外す時もありますし、試合で起用しないこともあります。
それでも選手たちが森保監督を支持するのは、公平さと誠実さがあるからです。
長期的な代表チーム運営において、この信頼関係は非常に重要です。
ドイツ戦やスペイン戦で見せた団結力の背景には、森保監督への信頼があったと言えるでしょう。
理由⑤ 日本代表を史上最強クラスへ押し上げた
森保監督就任前と現在を比較すると、日本代表を取り巻く環境は大きく変わりました。
現在の日本代表には、
- プレミアリーグ
- ブンデスリーガ
- ラ・リーガ
- セリエA
など欧州トップリーグで活躍する選手が数多くいます。
もちろん選手たちの成長もあります。
しかし、その才能をまとめ上げてチームとして機能させるのは監督の役目です。
日本代表は今やワールドカップで優勝経験国を倒せるチームになりました。
森保監督は単に試合に勝っただけでなく、日本サッカーの基準そのものを引き上げたとも言えるでしょう。
ネットの反応
森保監督に対する評価は今でも大きく分かれています。
批判的な意見
- 戦術が見えない
- アジアカップで結果を出せなかった
- 采配が遅いことがある
- 選手起用に疑問が残る
肯定的な意見
- ドイツとスペインを倒した実績は大きい
- 結果がすべて
- 歴代最高監督候補
- 欧州強豪相手に強い
以前は批判の方が多かった印象ですが、カタールワールドカップ以降は評価する声も大幅に増えています。
結論:森保一は「批判される名将」
森保一監督は決して完璧な監督ではありません。
戦術面や選手起用について議論になることもあります。
実際にアジアカップ敗退など、批判されるだけの理由も存在します。
しかし結果を見ると、
- ドイツ撃破
- スペイン撃破
- 欧州勢への好成績
- ワールドカップでの躍進
など、日本サッカー史に残る成果を挙げています。
派手な言動で注目を集めるタイプではありません。
ですが、着実に結果を積み重ね、日本代表を世界と戦えるチームへ成長させてきました。
だからこそ森保一監督は、
「批判される名将」
と呼ぶのが最もふさわしいのかもしれません。
歴代日本代表監督と比較すると森保一はどの位置にいるのか?
森保一監督を評価するうえで欠かせないのが、歴代日本代表監督との比較です。
日本代表はこれまで数多くの名将に率いられてきました。
では、森保監督は歴代監督の中でどのような立ち位置なのでしょうか。
岡田武史監督との比較
日本代表史において最も評価の高い監督の一人が岡田武史監督です。
1998年フランスワールドカップで初出場を果たし、2010年南アフリカワールドカップではベスト16へ導きました。
特に2010年大会は本番直前まで批判が続いていましたが、本大会で結果を残したことで評価が一変しました。
実はこの流れは森保監督とよく似ています。
岡田監督も、
- 戦術がない
- 選手起用がおかしい
- 監督交代すべき
と批判されていました。
しかし本大会で結果を出し、現在では日本代表史に残る名将として語られています。
森保監督も同様に、批判を受けながら結果を残してきました。
ただし、森保監督はドイツやスペインといったワールドカップ優勝経験国を撃破しており、対戦相手のレベルを考えれば森保監督の実績を上に挙げる声も少なくありません。
フィリップ・トルシエ監督との比較
トルシエ監督は2002年日韓ワールドカップで日本代表を初のベスト16へ導いた人物です。
フラット3を導入し、日本代表に戦術的な基盤を築きました。
現在でも、
「日本代表史上最高監督はトルシエ」
と考えるファンは少なくありません。
トルシエ監督の特徴は明確な戦術です。
選手たちはその戦術に適応することを求められました。
一方で森保監督は逆です。
選手の特徴に合わせて戦い方を変えます。
どちらが優れているという話ではありません。
ただし柔軟性という点では森保監督に軍配が上がるでしょう。
特にドイツ戦やスペイン戦で見せた試合中の修正能力は、日本代表歴代監督の中でもトップクラスと評価されています。
アルベルト・ザッケローニ監督との比較
ザッケローニ監督は日本代表史上屈指の人気監督でした。
香川真司、本田圭佑、長友佑都、内田篤人ら黄金世代を率い、2011年アジアカップ優勝を達成しています。
攻撃的なサッカーを展開し、多くのファンを魅了しました。
しかし2014年ブラジルワールドカップではグループリーグ敗退。
結果として、
「内容は良かったが結果が出なかった監督」
という評価もあります。
森保監督との最大の違いはここです。
森保ジャパンは内容について批判されることがあっても、結果だけを見れば歴代屈指です。
サッカーは最終的に勝敗で評価されるスポーツです。
その意味では森保監督の評価は今後さらに上がる可能性があります。
森保一は歴代最高監督なのか?
結論から言えば、
「歴代最高監督候補の一人」
であることは間違いありません。
理由はシンプルです。
日本代表史上、
- ドイツ撃破
- スペイン撃破
- 欧州勢への好成績
- ワールドカップで世界を驚かせた
監督は森保監督以外に存在しないからです。
もちろんワールドカップベスト8以上という課題は残っています。
もし2026年ワールドカップでベスト8、あるいはそれ以上の結果を残した場合、多くの人が森保一監督を日本代表史上最高監督として評価するでしょう。
少なくとも現在の時点で、
岡田武史
トルシエ
ザッケローニ
と並んで語られる存在になったことは間違いありません。
そして2026年ワールドカップは、森保一監督が「歴代最高監督」と呼ばれるかどうかを決める大会になるでしょう。
まとめ
森保一監督は、日本代表史の中でも特に評価が分かれる監督と言えるでしょう。
戦術面や選手起用について批判されることは少なくありません。
しかし、その一方でドイツやスペインといったワールドカップ優勝経験国を破り、日本代表を世界と戦えるチームへ押し上げたことも事実です。
サッカーにおいて監督は結果で評価されます。森保監督はこれまで数々の批判を受けながらも、その都度結果で応えてきました。
2026年ワールドカップは、森保ジャパンにとって新たな挑戦となります。
もし過去最高成績を更新することができれば、森保一監督の評価はさらに高まり、日本代表史に残る名将として語り継がれることになるでしょう。




